在阪のジャーナリストは「現場検証で、小川容疑者が使っていた個室内のデッキからDVDソフトが出てきたらしい。間違いなくアダルトビデオ(AV)だろう。死者15人を数える過去最悪の無差別大量殺人で不謹慎だからと、表立って口には出さないが、最後の“おかず”は何だったのか、と関心が集まっている」と話す。
そもそも個室ビデオ店はAV観賞目的で始められた業種。1980年代、家族の目を気にせず“抜ける”などとして男性客を集めた。部屋内にはヘッドホンやティッシュが配備されており、思う存分観賞できる。最近は漫画喫茶と同様、カプセルホテル代わりにする利用客が増加。半面、ソフトの充実も著しく、業界関係者によるとマニアが試写室代わりに利用するケースもあるという。
浪速署捜査本部のこれまでの調べでは、小川容疑者は1日午前1時半ごろ、常連客だった知人に連れられ、「試写室キャッツなんば店」に入店。別々の個室に入って約1時間半後に放火したとされる。
この知人は、東北地方から仕事で関西に来ていた42歳男性で、事件の数日前に知り合ったばかりだったことが新たに判明。数日間行動をともにしており、捜査本部は同様の施設を転々としていた可能性があるとみて足取りを調べている。
一方、小川容疑者のズタボロな転落人生も明らかになった。高校卒業後、大手電機メーカーに勤務して社内結婚。1男1女をもうけ家族4人で幸せに暮らしていた。
しかし、10年以上前に離婚。40歳前後でパチンコ、競馬にはまってサラ金に手を出し、追い込みをかけられた。近所で「100万円勝った」と自慢することもあったというが、最近は古い知人を頼って「1万円貸してください!」と土下座して断られていた。数百万円の借金があり、戸籍を売ったとの一部報道もある。