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スピードワゴン小沢一敬が2012年の“予定”を語る「SFかホラーを一本、完成させます」

 お笑いコンビ・スピードワゴンの小沢一敬(38)が、脚本を担当した映画「メンゲキ!」(1月28日公開)を振り返りながら、同作主演の劇団EXILE・青柳翔(26)と共に、2012年の“予定”を語った。

 連作短編小説集「でらつれ」(講談社/2010年)で18人の愛の模様を描いた小沢。多彩な才能を発揮し、映画「メンゲキ!」では、売れない劇団員の婚約者が両親に「彼は人気のラーメン屋さんでテレビの取材も来るほど凄いの!」といううそをついてしまい、見に行くと言いはじめた両親のために、ラーメン屋で演技を始める「メンゲキ!作戦」を決行する様子を脚本した。劇団員を演じたのは、舞台、ドラマ、映画で注目を浴びているイケメン・青柳翔。本作は青柳の映画初主演。

 小沢は、完成した映画「メンゲキ!」の感想を語った。「脚本と映画はぜんぜん違う。監督の意図で省いている部分もあるし、足されている部分もある。自分の産んだ子だけど、育ての親が違うみたいな。なので、ああ、こういう風に育ったんだなと思って、かわいく、楽しく見ることができました」。意外にも、今作が小沢の映画初脚本という。「脚本を書いている時は、頭の中でキャラクターをイメージして書いていますが、役者さんがそれ以上の演技をしてくださったり、こういう角度で、こういう風に見せるのだという監督の意図で、僕が頭の中で描いていたイメージとは違ったものになっていました。せりふも、“あっ、こういう言葉を足すことにより、こう見えるのだな”“あの言葉を省いたのでこう見えるのだ”という発見があり、いろいろな意味で勉強になりました」。新しい経験を楽しそうに語る小沢だが、青柳の演技が驚きだったことを明かした。「最初から青柳君をイメージして書いていたのですが、イメージ以上に熱くて、まっすぐな男の子を演じてくれました」

 その青柳は、前回の主演がテレビドラマの不良役だったこともあり、せりふの語尾の言い方からはじめ、夢を諦めるのか否かの岐路に立つまじめな青年の役作りを徹底したことを語った。劇中の青年が挫折した時の悔しい思いは、青柳が舞台に立つようになって間もないころにダメ出しされた経験を思い返しながら演技につなげたという。「あきらめたり、妥協したりすることが増えていく中で、きれいごとだけではにっちもさっちもいかないときに、『メンゲキ!』を見てスカッとしてほしい」とメッセージを送った。2012年の目標は、「映画の中のせりふなのですが、『夢を追い続けているやつが地に足を着けてるひまなんてないんだよ』という気持ちで、一つ一つの作品に集中していきたい」

 一方、小沢は文筆に意欲を燃やす。「書き物をもっとやりたい。次にやるなら、ジャンルはSFかホラーがいいなと思っています。子どものころはホラーが大嫌いで、ホラー映画は見なかったのですが、大人になって見方がわかると、ホラー映画って面白いですよ」「ホラーってほんとにすごいなと思うんです。アイデアだし、緊張と緩和という点でも、お笑いに通じるものがあると思います」「脚本か、小説か、どちらが一番おもしろくできるのか、そこから考えます。小説のほうが、出してもらえるかわからないけど、好きに書いて一人で完結できますので、書きやすいといえば、書きやすいです。映画のいいところは、みんなと一緒に作れるところ」。ちなみに、“ホラーの大人の見方”は、「独り占めしたいので教えません(笑)」とのこと。笑顔で話す小沢だが、文筆家としても作品を観察していることをうかがわせる。

 小沢には、抱負はないという。「“負け”を“抱く”と書きますが、そんなつもりないんで」。目標も立てない。「目標や夢という言葉を使ってしまうと、かなわなくてもいいから。予定ということにしています」。そんな小沢の2012年の「予定」は、「SFかホラーを一本、完成させます」。

 映画「メンゲキ!」は、1月28日から全国順次公開。(インタビュー・竹内みちまろ)

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