11月28日の会見でライバル関係にあったHERO'Sを主催するFEGとのパイプがつながった元PRIDEファイターたち。ライバル団体を意識しないはずもなかった。
川尻は「誰か強い選手と闘いたい。アゼレードに勝ってHERO'Sの選手とも闘ってみたい」と不敵な笑み。早くもブラジルの名門シュート・ボクセ・アカデミーのライト級の雄アゼレードの首を手土産に、HORO'Sファイターとの対抗戦に意欲をのぞかせている。
一方、川尻の盟友、石田は大みそか決戦で総合格闘技無敗のメレンデスとの一戦とあって、まずは目先の闘いに集中する考えで「いいことだと思う」と言うに留まったが、HERO'Sという単語を聞いた途端にその目は鋭いものに。やはりライバル団体のことは意識しているようだ。
また、DEEPウエルター級王者である長谷川秀彦との対戦がすでに決定している桜井にいたっては、大みそかで激突する長谷川が2日の「DEEP X」でブラジリアン柔術統一世界王者のルーカス・レプリに敗れてしまったこともあってか、「勝つと思っていただけに、ガッカリ」とした上で、すでに大みそかの先にあるHERO'Sとの対抗戦に目が向けられている様子。「(適正体重の)76kg位の階級を作ってほしいね」と語るなど、来るべきHERO'Sファイターとの戦いに向け、はやる気持ちを抑え切れないようだ。
この日は巣鴨とげぬき地蔵尊で必勝祈願を行い、公開練習でも各自鋭い動きを見せ、待ちに待った舞台への出撃準備は万全だ。さらに桜井はシュートボクシングに参戦しているとはいえ、「PRIDEの匂いのする大会」を待ち続けてきたチーム茨城の3人は、やはりPRIDEファイターとしての誇りが強くある。
大連立が成立したことで、PRIDE対HERO'Sの夢対決も現実的な未来予想図となった今、大みそか決戦の先にチーム茨城の3人はHERO'Sとの対抗戦を強く意識している。大みそか決戦を通過点にするため、盤石の構えだ。