毎週日曜朝放送中の特撮ヒーロー番組にスーツアクター(スーツや着ぐるみの中に入ってアクションや演技をする俳優)として活躍している高田さん。中学生の時に同養成所に合格し、高校1年生の1年間は学校を留年する形で稽古に通ったという異例の経歴の持ち主だ。彼がアクションの現場にデビューしたのは、なんと16歳の時だった。
「アクション映画に憧れて、中学二年生の時にJAEの試験を受けたんです。ちょうどその頃、このまま勉強してどうするのか…将来のことも考えたりして」
高田さんは、東京大学に48名の合格者を輩出し(2014年度)、首都圏の私立・トップ校に数えられる渋谷教育学園幕張中学校・高等学校の卒業生だ。
「事務所に入る前はまだ細かったので、高校では筋トレばっかりしてました。勉強は全然ですよ (笑)。筋トレとランニングが大好きなんです」
入所してみると同期はみんな年上で、大人に交じって稽古に励んでいたという。
「今は、高校や大学を卒業してから入る人がほとんどです。応募は15歳から出来るので、30年前くらいは僕みたいに高校と並行して通う人は珍しくなかったみたいなんですけど」
翌年にはスタント基礎や、殺陣、中国武術や少林寺拳法などを身に付け、離脱者が多い中、見事に所属を果たす。その後は学業優先で陸上部でも活躍し、主に夏休みに現場に出向いていたと振り返る。
「本格的に現場に出たのは、高校三年生の冬休みからです。現場に出てすぐ『仮面ライダーディケイド』の怪人役を頂いて、駆け出しの頃でしたが人気シリーズに出演することが出来ました。ライダーも怪人もたくさん出ていて人手が足りない作品だったので、タイミングは大事なんだと思いました」
“スーツ”には色んな種類があり「怪人は、視界が悪い上に重くて夏場はものすごく暑いんですが、冬場は暖かくて良いんです」と笑顔で話す高田さん。その後も主に『仮面ライダー』シリーズの現場で活躍しつつ、映画の吹き替えや舞台にも出演し順調にキャリアを積んでいく。そして23歳の時に「スーパー戦隊」シリーズの『獣電戦隊キョウリュウジャー』で、メインキャラクターの一人に抜擢された。
「特に気負うことなくマイペースにやらせて頂きました。僕の日々の目標は、ケガをしないで楽しくやることなんです」
更に翌年の『烈車戦隊トッキュウジャー』にも立て続けにレギュラー出演し、確かな実力を証明した。業界では、“若手のホープ”として注目されている。その一方で、現場では “愛されキャラ”としてムードメーカー的存在だ。
「いじられると、ついついおもしろいことを返しちゃうんです。ふざけてローキックされたりもするんですが、スタントマンの中でも頑丈だと思うので大丈夫なんです(笑)」
アクションも好きだが趣味も大切にしており、プライベートでは「野球とプロレスが好き過ぎるんです!」と話す。特に『福岡ソフトバンクホークス』の熱狂的なファンで、選手応援歌も覚えているという。
「シーズン中は、仕事の後によくそのまま観戦に行きます(笑)。今やパ・リーグのオールスターゲームでも応援できるように、『千葉ロッテマリーンズ』、『東北楽天ゴールデンイーグルス』の選手応援歌も見ないで歌えます。そして『北海道日本ハムファイターズ』、『オリックス・バファローズ』にも足を伸ばしています。いつか始球式とかに呼ばれる様になりたいです」
この業界に入ったきっかけが、“目立ちたい”ということだったので、顔出しの仕事にも興味があると言う。
「しゃべることも好きなので、レポーターとかもやってみたいです。いつもTVに出ているような有名人になりたいです」
日々を楽しくマイペースに過ごすことをモットーにし、確実に安定したアクションを披露し続けている。
高田将司さんも出演中!
■『手裏剣戦隊ニンニンジャー』(テレビ朝日系列)毎週日曜7:30〜8:00放送中
■「ニンニンジャー&ドライブ 春休み合体スペシャル」(テレビ朝日系列)3月29日7:30〜8:30放送予定
■「スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号」(東映系)2015年3月21日公開