元々ジャッキー・チェンが好きでアクションに興味を持っており、高校卒業後にTVでJAEの稽古を見て同養成所に入所する。
「養成所のトレーニングはすごくハードで、筋肉痛でTシャツが脱げなかったこともあります。ものすごく厳しかったですね」
細身の体格の高橋は、養成所時代に食事制限をして肉体改造をする。
「筋肉を付けろといわれ、プロテインとパスタをただ茹でたもの、鳥のささみ、卵の白身のみを食べるという食事制限をして稽古に臨みました。その甲斐あって一時的に体重が5?以上増加したんです。でも維持するのが難しくて現在は戻ってしまいました」
しかしその細身の体格を生かし、東京ドームシティのヒーローショー『炎神戦隊ゴーオンジャー』(2008年)のメインキャラクターに抜擢。“女形のスーツアクター”として男性ながら女性キャラクターのスーツを身に着け、女性らしい華麗なアクションを披露した。
「『炎神戦隊ゴーオンジャー』で初めてメインキャラクターの一人をやらせて頂いたんですが、本当に大変でしたね…。僕の師匠もメインキャラクターを担当していたんですが、本当に鍛えて頂きました。がんばってやり続けて公演の楽日に認められた時はすごく嬉しかったです」
また翌年の『侍戦隊シンケンジャー』(2009年)でも女形のスーツアクターでも務め、TV版『天装戦隊ゴセイジャー』(2010年)にて女形スーツアクターの出演の声がかかる程の好評価を受ける。しかしこのままヒーローショーを続けることを選択。そして女形スーツアクターならではのエピソードも話してくれた。
「女形の場合は女性の胸を表現する為にタンクトップの上にブラジャーを付けて、中にスポンジを入れてその上にピッタリとしたTシャツを着ています。昔それでハプニングがありまして…。40度の熱を出したままショーに出演して、その後病院に行ったんですけどブラジャーを付けたまま行ってしまって、お医者さんに驚かれて慌てて経緯を説明しました。あと普段何気ない時に足が女性らしく内股になっているときがあります」
その後『海賊戦隊ゴーカイジャー』(2011年)、『特命戦隊ゴーバスターズ』(2012年)では、体重が軽いことを生かし、主にワイヤーを使ったアクションを担当する。
「公演は毎回LIVEなので、急なアクシデントも多いんですよ。ワイヤーを使って空中でやるはずだったアクションを急遽舞台上でやらざるを得なかったこともあります。また、兵隊をやってワイヤーアクションをやってまた兵隊をやって…など、多い時は一公演の30分で4回着替えてアクションをすることもありました」
ヒーローショーの他にもスタントやアクションの吹き替えなど、危険を伴うこの仕事を続ける理由をこう語る。
「やっぱりアクションが好きだから続けられるんだと思います。普通に外を歩いていても、ビルとか高い建物をみると、自分だったらどう降りるかな、など考えてしまいます」
前回のヒーローショー『獣電戦隊キョウリュウジャー』(2013年)では、男性のメインキャラクターの一人を担当し、今年より舞台のアクション俳優という新たなステージに進む。
「デビューより長年ヒーローショーをやらせて頂いて、スーツアクターをまだやりたい気持ちもあるんですが、今年から舞台に挑戦します。ずっとヒーローショーをやっていたので、自分で台詞を言うのがとても新鮮です。今は目の前の舞台を全力でやろうと思います」
活躍の場を広げる高橋玲の今後に期待だ。
『双牙〜ソウガ〜』再演に出演!
公演日程:2014年4月9日(水)〜4月16日(水)
劇場:シアター1010(北千住)
演出:きだつよし
脚本:羽仁修
http://trifle-stage.com/info.html
◆高橋 玲(たかはし・れい)
1985年9月3日生まれ・静岡県出身 JAE(ジャパンアクションエンタープライズ)所属
スーツアクター、スタントマン、俳優として、TV・映画・舞台と様々なジャンルで活躍中