そのコンサートは、札幌でのチームNを皮切りに、地元大阪でチームM、チームBIIは、3月9日に名古屋で初日を迎え、10日に名古屋での2日目の公演を行った。開演前には前座としてDJレモンが登場。DJレモンは市川美織のいとこのおじさんという設定で、『オールナイトレモン』と題して、ファンからの質問やリクエストに答えて歌ったりと市川ならではの独特な世界観で、ファンを和ませてくれた。
前座として楽しい空気ができたところで、コンサートはスタートした。オープニング曲となったのは『青春のラップタイム』。『チームBII推し』『てっぺんとったんで!』『片想いより思い出を』とテンションが上がるような楽曲が続き、いきなり畳み込むような展開で、一気にファンの気持ちをヒートアップさせてくれた。続いてユニット曲になるのだが、市川美織・日下このみ・内木志・林萌々香による『嘆きのフィギュア』から始まった。激しく盛り上がる曲ではないが、期の違うこの4人の組み合わせは、すごく新鮮さがあった。『残念少女』『口移しのチョコレート』と続いて、ドラフト2期生の村中有基・安田桃寧・安藤愛璃菜の3人がチームNの楽曲『おNEWの上履き』を歌うのだが、ただでさえ可愛くて清々しい気持ちになれるような楽曲なのに、この3人がステージに登場すると何と会場がどよめくほどだった。この初々しい3人は大きな舞台を経験して今後も期待できる逸材である。初々しい3人の後には、渡辺美優紀がソロで登場するのだが、前日は板野友美の『DearJ』をカッコ良く歌って踊ったのだが、今回は前田敦子『君は僕だ』という板野とはまったくタイプの違う楽曲を歌い、渡辺自身の引き出しの多さを見せてくれた瞬間でもある。
さらに後半に突入すると、前日同様に日下このみがプロデュースした楽曲をReMixメドレーとして歌うのだが、今回はNMB48のシングルのカップリング曲として収録されている紅組と白組の曲というファンにとっては変化球とも思える楽曲の披露であり、こういう予想できない展開は、素直に嬉しい気持ちになって盛り上がってしまえることだろう。ReMixメドレーの後には、キラーチューンとも言えるシングルメドレーと続き、最後は渡辺美優紀をセンターに迎えた『365日の紙飛行機』で本編の幕は閉じた。
アンコールでは『らしくない』『しがみついた青春』『抱きしめちゃいけない』と盛り上がりソングを一気に聞かせてくれたのだが、かつてチームBIIと兼任して活動していたSKE48の高柳明音が観戦に訪れていることが紹介され、高柳は「客席でみんなと一緒に踊っていたよ。1曲目から泣いちゃいました」と話した。さらに卒業直前の梅田彩佳が「私は組閣をしてNMB48のチームBIIに来ましたけど、最後のチームがBIIで良かったって本当に思います。ビックリしましたけど、10歳離れている子たちも受け入れてくれたりとか、私にとって最高のアイドルの最後の華を添えてくれたと思っています」とコメントした。そして最後は前日には無かったダブルアンコールをすることになり『青春のラップタイム』が本日のラストソングになり、チームBIIの名古屋公演の幕が閉じた。
ライブハウスツアーはまだ折り返し地点であり、3月15・16日には、再びBIIのコンサートが福岡で行われる。さらに東京・仙台・千秋楽には地元の大阪に帰って全チームが集まり、ツアーの集大成となるので、最後まで楽しみたいと思う。
取材/ブレーメン大島 (C)NMB48