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野球の五輪復帰に向け苦肉の策

 08年北京五輪を最後に五輪種目から外された野球が、20年夏季五輪での復帰を目指し、苦肉の策を検討していることが分かった。

 国際野球連盟(IBAF)はソフトボールと1競技2種目としての採用に向け、「世界野球ソフトボール連盟」(WBSC)の名称で、両競技を統括する国際団体の設立を決めている。

 20年夏季五輪の実施競技は来年5月の理事会で絞り込まれ、9月の国際オリンピック委員会(IOC)総会で決定する見込みとなっている。

 五輪競技に採用されるために、ネックになっているのがテレビ放送に適しているかどうか。すなわち、野球は試合時間が長すぎることが懸案事項なのだ。

 ご承知の通り、野球の試合時間はサッカーなど、他の競技に比べると明らかに長く、3時間前後かかってしまう。それが、テレビ放送に適さず、五輪競技とする上での障害にもなっているのだ。

 IBAFでは五輪復帰を最優先事項として、時間短縮のために、9回ではなく7回制を検討しているというのだ。野球は終盤の8、9回の攻防が面白いとの意見も多いが、五輪復帰優先の苦肉の策だ。

 すでに北京五輪でも時間短縮のため、延長11回からはタイブレーク制(※注)を導入したが、それでもIOCから「長い」と批判が出た。ただ、試合時間を決めて、打ち切るシステムは野球には向かないとして、7回制導入を検討している。

 これは五輪の1次リーグなどの予選で採用し、メダルが懸かる準決勝、決勝には採用しない方向。IBAFでは今後、タイブレーク制の継続も含め、試合時間を短縮する方法を詰めていく方針だ。

 試合時間の長さが原因で、五輪に復帰できないのであれば、競技のルール変更もやむを得ず、背に腹は代えられぬところだろう。
(落合一郎)

※注※08年北京五輪では延長11回から無死一、二塁で攻撃を始めるタイブレーク制が採用された。打順は監督が任意で決めるものとされた。

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