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北京五輪野球 星野ジャパン ソフト流戦術導入

 ソフトに続け、星野ジャパン!2度目の奇跡を起こせ!!ソフトボールが悲願の世界一の座に就いた。立役者は2日で3試合28イニング、413球をひとりで投げ抜いた上野由岐子(26=ルネサス高崎)。上野の快投は星野ジャパンに捧げる、魂のエールでもあった。星野監督はソフトの逆転金メダルをヒントに、大胆な作戦変更で決勝トーナメントに臨む。

 再三のピンチを鋼の肉体と強靭な精神力でしのぎ、五輪3連覇のアメリカに2-1。米国の最後の打者、2番ローを三塁ゴロに仕留めるやいなや、マウンドに日本ナインの歓喜の輪ができた。
 中心にいるのは、ナインに肩車されて人差し指を夜空に何度も突き上げる上野だった。
 この日の上野はソフトボール界最速、119kmの直球に威力はなかった。しかし、峰捕手は「この日一番、球が来ていたシュートで何とかなると思った。投球はシュートを中心に組み立てた」
 終盤6回の1死満塁のピンチも、シュートで切り抜けた。現地で取材するスポーツ紙記者が興奮気味に、こう話す。
 「口には出さなくても、上野は限界ぎりぎり。精神力だけで投げていました。それを支えたのがすべてを上野に託したナインと、今は所属チームの総監督になっている宇津木妙子前日本代表監督。恩師と慕っていて、北京入りしてから携帯メールで何度も励まされたと言っていました」
 ネット裏のほうに向けて上野が人差し指を立てていたのは、宇津木総監督がテレビ解説者としてそこにいるのを知っていたからだった。
 日本の球技としては1976年モントリオール五輪の女子バレー以来、32年ぶりの金メダル。この快挙に奮い立ったのが、メダル取りの剣が峰に立たされている野球の星野監督だ。
 「ついに、やってくれたか。世界に大和なでしこの強さをアピールしてくれたな。野球も後に続かないといけないな」と星野監督。続けて「(韓国戦の)マウンドもお願いしたいね」とジョークまで飛び出した。
 星野監督がご機嫌なのは、韓国、キューバ、米国へのリベンジに腹をくくったからに他ならない。「ここまで来たら、データがどうのこうのなんて言ってられない。投手10人を全員、つぎ込んででも勝つ」と言い切る。「コントロールにさえ気ををつければ(韓国の打者は)押さえられる。それと、インコースに投げることだな」
 先発投手は予定していたダルビッシュから杉内への変更も示唆した。
 「総力戦だよ。勝たないと、もう後がない。何が何でも勝ちに行く」
 ソフトに勇気をもらった星野ジャパン。一昨年の王ジャパンが演じたWBC(ワールドベースボールクラシック)の奇跡を、再現できるか。

○“捨てる3か条”徹底がカギ
 星野ジャパンは決勝トーナメント2試合の戦術に“ソフト流”を取り入れる。相手エースの得意球は振らず、強打者は歩かせ、プライドを捨てるという“3大捨てる作戦”だ。
 ソフトジャパンは北京で2戦2敗の米国を相手に、プライドをかなぐり捨てて3度目の正直で逆転金メダルをたぐり寄せた。この日も1発を浴びた4番バストスをランナーのいる場面で敬遠。苦手の先発オスターマンを崩したのは1番狩野の内野安打から。最後まで米国をリズムに乗せなかったのが勝因だ。
 上野のような絶対的エースのいない星野ジャパンは、1次リーグ全チーム中で防御率トップと粒のそろった投手陣を総動員。小刻みな継投策をとる。エース級がワンポイント投入されれば、チームの捨て身意識も高まる。強打者には内角をえぐるケンカ野球を徹底して四死球で歩かせることもいとわない。
 打線は、相手エースにテンポよく投げさせないため、上位から下位まで小技を使って足でかき回す。得意球には簡単に手を出さない。一流プロ選手のプライドを捨てられるかが、決勝2試合のカギを握る。

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