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競輪穴男列伝 京王閣FI9・5開幕 人気、相手を無視しても狙いたい工藤政志

 9月5日から7日の京王閣FIナイターでは地元の新鋭、朝倉佳人(90期)のS級初優勝が期待できる。

 人気は立ち直りを見せている堤洋(徳島)が集めそうだが、いまの堤は自分で動くレースを見せていない。脚をためて2センターからの勝負が多い。
 朝倉はまくり主体という不安はあるが、7月小倉FIで選抜ながら小川勇介(福岡)の先行をまくって快勝したし、2日目には追い込みで小川の2着に食い込み大本命の合志正臣(熊本)を5着に沈めて2車単1万4730円、3連単13万9480円を飛び出させている。
 その前、西武園では松岡貴久(熊本)がホームバックをとったのをまくって11秒1の好ラップで快勝。6番車で頭、2着が谷津田将吾(福島)で(6)(7)9320円の2車単高配当を出している。
 師匠の森田茂と仲のよい後閑信一が群馬から東京・京王閣に移籍したこともあり、練習相手に恵まれたことが朝倉の成長にプラスしたのだろう。
 このシリーズ、関東勢は同期で先行の志村大賀(山梨)がいるが、関東ラインで根本雄紀(茨城)がマークにくるだろう。根本も高松GIIIで初のGIII決勝進出を果たして気合がよいだけに、志村の番手ははずすまい。
 となれば朝倉にマークは東京の小林正治だろう。小林も追い込みのレースに慣れて平塚FIでは2勝している。
 77期のナンバーワンで卒業記念も制した小林は小倉竜二(徳島)や小野俊之(大分)村本大輔(静岡)に差をつけられていたが、弟子の柴田洋輔の存在でここ1年は見違えるような堅実な成績を残すようになった。一時はS2に落ちることもあったが、最近は安定した番手とりをしている。朝倉目標にG前の差しで逆転まで狙える。
 穴選手で人気や相手を無視しても狙いたいのは工藤政志(青森)だ。デビュー当時はスプリンターとして注目されたが、まくりに拘っていて上位を狙うまではいかなかった。
 いまでも人気に弱いところはあるが、7月大垣FIで同県の永沢剛を使って番手まくり、栗田雅也(静岡)松坂英司(神奈川)を破っている。また伊東FIでは藤田大輔(千葉)の先行をまくりと、成績もそろってA級に落ちたころとは見違えるようなレースぶりを見せている。
 青森の選手は割合レースを淡々とすすめるところがあるが、潜在能力はいま人気の福島の選手にも劣らず、いずれも展開次第ではまくったり、先行したりとトリッキーな面はあるが、工藤もそんなタイプだ。初日よりは1戦叩いてからのほうが、持ち味が活きるだけに2日目、3日目の人気薄で頭から流したい。

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