同作は、41歳で自らの命を絶った不遇の作家・佐藤泰志氏の最高傑作といわれる作品を映画化したもの。綾野がひとりの女を愛しぬく主人公を演じ、この日、佐藤氏の母校・国学院大学で試写会が開催された。
学生たちの拍手と歓声に迎えられた綾野は、「本来なら原作者の佐藤泰志さんが立つのが正しい形」と、佐藤氏への敬愛を込めて恐縮気味にあいさつ。しかし、呉美保監督とのトークが乗ってくると、呉監督に、「何か、まじめになっちゃったね」と声を掛ける一幕があった。すかさず、会場を埋め尽くした女子大生たちから「かわいい〜!」の黄色い大歓声が上がり、綾野は照れ笑い。
また、イベント中にサプライズで、同作が、モントリオール世界映画祭へ主品されることが発表された。綾野以外の関係者は皆知っていたという演出だったが、綾野は「心の中では、(客席の)みなさんにダイブして、波乗りしている気分です」と歓喜した。(竹内みちまろ)