不遇の作家・佐藤泰志氏の最高傑作といわれる作品を原作とする同作で、綾野はひとりの女性を愛しぬく男を体現する。池脇が情感たっぷりにヒロインを演じ、重要な役割を担うヒロインの弟役は菅田。4月19日から、テアトル新宿ほか全国ロードショー。
ステージに上がった綾野は、「こういう映画が一本、有ってもいいと思っています」と出来栄えに自信を覗かせ、「何かが残っていく作品になってくれればと思っています」と期待を語った。
骨太の作品に仕上がったという同作の主人公の役作りについては、「今までのアプローチの仕方では難しいと思いました」と迷いがあったことを明かした。同時に、それが「挑戦」になったとも。
池脇から引っぱたかれる場面の撮影では、「テストからしっかりやっていただきました」と本気で殴られたエピソードを紹介。池脇も、「やるしかなかったんですよね、この現場は。そうしないと、終わっちゃうんだよね」と、作品のために、キャストとスタッフが一丸となり、手加減無しの体当たりで臨んだ現場を振り返った。(竹内みちまろ)