WBC中継に関連して、3月10日日曜日のNHK大河ドラマ「八重の桜」(綾瀬はるか主演/午後8時〜8時45分)と、TBS日曜劇場「とんび」(内野聖陽主演/午後10時15分〜11時9分)が対照的な結果となった。
WBCの視聴率(以下、すべて、ビデオリサーチ調べ、関東地区)は初戦から高視聴率を弾き出し、1次ラウンド、6日の日本対キューバ(TBS系列/午後7時〜10時54分)が22.8%。2次ラウンドに入ると、8日の日本対台湾(テレビ朝日系列/午後7時8分〜11時48分)が30.3%、決勝ラウンド進出が懸かった10日の日本対オランダ(TBS系列/午後7時〜10時9分)が33.4%と、ともに30%超え。
瞬間最高は、台湾戦が試合終了間際の午後11時43分と44分の43.0%。オランダ戦は試合終了の午後10時1分の44.6%だった。オランダ戦の視聴率33.4%は、今年放送された番組で最高で、改めて潜在的な野球人気を示す結果となった。
その裏で、致命的なダメージを被ったのは「八重の桜」第10話(10日)。同日、ライバル番組の日本テレビ系列「世界の果てまでイッテQ!」が、「行列のできる法律相談所」2時間スペシャル(午後8時〜9時54分)のため休止されたにもかかわらず、視聴率は12.6%の惨状。「行列のできる法律相談所」は11.1%だった。
この数字は過去ワーストだった前週の第9話(3日)の15.1%を、さらに2.5ポイント下げた。大河史上最低視聴率だった前作「平清盛」(松山ケンイチ主演)でさえ、12%台まで落ち込んだのは第12話だった。
オーストラリアとの壮行試合(2月24日)を含め、3週連続でWBCの影響を受けて低視聴率に沈んだ「八重の桜」。17日はWBC日本戦の放送予定はなく、どこまで数字を戻せるかがカギとなる。
一方、笑いが止まらないのがTBS。「とんび」は初回(1月13日)こそ、17.0%の高視聴率をマーク。第2話(同20日)16.1%、第3話(同27日)16.0%と高い数字をマークしていたが、第4話(2月3日)で12.0%と急落。以降、5週連続で12%台に低迷し、再浮上はむずかしいと思われた。
だが、第9話(10日)ではWBC中継が終わり次第の放送となったが、多くの視聴者がチャンネルを替えなかったようで、初回を超える18.3%の過去最高視聴率をマーク。まさに、WBC様々のたなぼたともいえる視聴率だった。この数字は今クールの民放地上波のプライム帯の連続ドラマでは、「相棒season11」(水谷豊主演/水曜日午後9時〜)第12話(1月16日)の19.4%に次ぎ第2位。「とんび」は次回はいよいよ最終回。このいい流れをうまくつなげることができるか注目される。
(坂本太郎)