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キャバ嬢が生まれる瞬間(32)〜生霊を飛ばしてキャバ嬢になった女〜

 井口ゆきな(22歳・仮名)

 生霊を飛ばすなんてなかなか理解してもらえないと思うんだけど、私は肉体から意識が抜け出すことが多々あるんだよね…。一般的には幽体離脱って呼ばれるのかな。最初は中学生の時だったと思う。その日は学校のマラソン大会があって、とても疲れて帰ったのを覚えてる。それで部屋に着くと着替えもすることなく制服のままベッドに倒れこんだ。マラソンで体はヘトヘトなんだけど、友達と順位を争って勝利したことの興奮状態もあったからなのか、脳が覚醒して全然眠れなかった。

 それでもやがてウトウトしてくると、なぜか耳鳴りが聞こえはじめたんだよね。「なんだろうな〜うるさいな〜」って意識が朦朧とする中で思ってて。それで寝返りをうったら、ゴロンという感じで体から意識が抜け出したわけ。次の瞬間、自分の顔を真上から見下ろしてた。

 それからはたまにベッドに横になっていると同じように意識が抜けることがあって、フワフワと外を飛べるようになった。まあそんな感じで幽体離脱を覚えた私は大学の時に初めて彼氏が出来たのだけど、彼は頻繁に友達と遊ぶからって理由で連絡が取れなくなることがあった。嫉妬深い私は彼が浮気しているじゃないかと疑って、布団に入ってからもずっとそのことを考えていたら、いつのまにか彼の元へ意識を飛ばしてたわけ。そこはキャバクラで、楽しそうにお酒を飲んでる彼の姿があった。これを人に話すと、ただの夢だって言われるんだけどね。でも後で彼を追及したら「なんでわかったの?」って驚いてた。まあその理由を正直に話したら、気味悪がって後日、別れを告げられてしまった。

 キャバクラ嬢になった理由はその時に見た煌びやかな光景が忘れられなかったから。今までお店の雰囲気なんてテレビとかでチラっと見かけたぐらいだったから特に気にしたことはなかったんだけど、幽体離脱中に見たゴージャスな空気に魅了されてしまったのだ。

 ただキャバ嬢になってからは、幽体離脱の話はお客さんにしないようにしてる。一度「私、幽体離脱できるんだー」って話したら「ふーん、そうなんだー」って、かなり素っ気無い返しをされて、それ以降、話題に気をつけている。そりゃそうだよね。私だっけこんな経験してなければ、そんな話信じられないからさ。今は、向こうからオカルトな話がでないかぎり、ごく普通のキャバ嬢を演じて接客してます。

(取材/構成・篠田エレナ)

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