このミサイル発射について北朝鮮は“大成功”としているのに、米国は“失敗”だったと異なった見解を述べている。いずれにしろ北朝鮮は、日本と米国を“敵”に回しての挑発であったのは事実。
この北朝鮮の挑発を受けた日本は、早速、7日の衆院で「北朝鮮によるミサイル発射に抗議する決議」を自民党、公明党、民主党、国民新党の4党の賛成多数で採択した。北朝鮮と“友党”関係にある日本共産党と社民党がそれぞれ反対、棄権をしたことは、この両党が「いわば国民の敵」ということになる。
「バカだね、日本共産党と社民党は。やはり思想の根っこにあるのがマルクス主義だから致し方ないとはいえ、この両党は時代錯誤もはなはだしい。だから選挙のたびに議員の数が減っていくのだよ」というのが街の声の大半であろう。
そのいい例が、今回の決議に関する両党の言動だ。決議は自民、公明両党の共同提案で、「飛翔体」ではなく「ミサイル」と明記。発射は国連安保理決議に「明白に違反し、断じて容認できるものではない」とした。
そして両党は、政府に対して「さらなるわが国独自の制裁を強めるべきである」と求め、国連安保理が新たな決議を採択するように努力を促した。言い換えると、これが日本国民の“総意”として。
しかし、北朝鮮が発射したミサイル映像としてそれが流れても、「世界がこれはミサイル(共産圏は別だが)と確認していない」として衆院での北朝鮮への決議の文言のうち「国連決議に違反」とする表現の削除などを両党は強く主張した。
たまたま時を同じにして、野党間の国会運営について協議していた野党のうち民主党と国民新党の両党は、この野党間の協議を中断して、与党案に賛成したが、共同提案に加わらなかった。
民主党の場合、7日は党本部で小沢一郎の代表就任から丸3年にあたるので政権交代への衆院選対策など、記者会見をしていた。身内のことの重大さがあったか、「北朝鮮は絶対的な独裁の下、人民はもとより国民の生活も確保できていないのに、弾道ミサイルや核を切り札にして、世界情勢をもてあそぶことは絶対に許されない」と、今回の北朝鮮のミサイル発射について厳しい対応を迫るべきといいながらも、日本のこの発射誤報に関して「慌てふためいてお粗末な限り」と批判した。
与野党ともそれぞれ意見があるが、これを次なる選挙の材料にするには少々早計かも…。(文中敬称略)