アメリカ・ケンタッキー州で、当時31歳の女性が一夫多妻で暮らすことを拒否し、これに腹を立てた交際相手の48歳の男Aに殺害された。事件の詳細が明らかになったと、海外ニュースサイト『Local 12 WKRC-TV』と『Mirror』などが3月13日までに報じた。女性の当時9歳の息子も殺害された。
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報道によると、女性はシングルマザーで、地元のコーヒーショップチェーン店で働いて息子を養っていたという。女性はパートナーの男性を探していて、2016年12月のある日、インターネットを通じて加害者である男Aと出会ったそうだ。
Aは女性と交際を始めてからすぐに結婚していることを告げ、一夫多妻で複数の妻と一緒に暮らしていると明かした。Aは女性にも、妻の一人として他の妻たちと一緒に家族として暮らしてくれないかとお願いしたという。
女性とAは交際中に、何度かお願いをしたが女性は拒否。一夫多妻が受け入れられなかったこともあり、男Aと女性は交際から約6カ月後の2017年5月に破局した。なお、アメリカでは一夫多妻制は認められていないため、妻たちは戸籍上の妻ではなく、内縁の妻として共同生活をしていたとみられている。
破局後、Aは「彼女(殺害された女性)はお金をもらうために他の男性と寝ていた」「彼女は浮気をしていた」などの嘘のうわさを広めて回った。しかし女性はうわさに振り回されることなく生活し、新しい男性Bと交際を始めたそうだ。
Bと交際中だった2018年3月、Bは女性にメッセージを送ったが返信がないことを不審に思い、女性の家を訪れた。女性の家に着くと、鍵が開いていたため中に入った。するとBは、リビングルームで女性と息子が血を流して倒れているのを目撃したという。Bはすぐに緊急電話番号に電話し、救急隊が現場に駆けつけたが、女性と息子はその場で死亡が確認された。女性は頭部を5発と足を1発、息子は頭部3発と胴体を1発撃たれていたそうだ。
事件を受け、警察は殺人事件として捜査を開始。Aも容疑者の一人として事情聴取されたが、当初、Aは事件が起きた時刻に家で本を読んでいたとして、事件とは無関係だと主張した。しかしその後の調査でAは女性にストーカー行為を繰り返し女性の職場などに押しかけていたこと、殺害方法の計画を立てていたことなどが発覚。また監視カメラの映像から犯行時刻にAが女性の家を訪ねていたことも明らかになり、Aは殺人の罪で逮捕された。
2021年9月に裁判が行われ、Aは女性に一夫多妻で暮らしてほしいと懇願したことは認めたものの、殺人については否定した。しかし監視カメラの映像や男がストーカー化していた証拠などから陪審員はAを有罪としたそうだ。Aには仮釈放なしの終身刑が言い渡された。裁判で、Aの動機は嫉妬によるものだとされた。
判決から約6カ月たった2022年3月、女性の両親が声明を発表した。声明では「犯人がいつか許されると思ったらそれはあり得ないことだ」「この犯行は多くの人を最大の恐怖に陥れた」とした。
このニュースが世界に広がると、ネット上では「なんというつらいニュース。罪のない息子が殺害されたことがいたたまれない」「一夫多妻を断ったことが殺害につながるという点が奇妙で恐怖。Aはおかしい」「Aはそんなに女性のことが好きだったのなら一夫多妻をやめて女性と一緒になればよかった」「Aの他の妻が心配。洗脳されていそう」といった声が挙がっていた。
Aがどのような事情で一夫多妻をしていたのかは不明だが、一夫多妻を拒否したことが殺人につながったことは多くの人にとって理解しがたいようだ。
記事内の引用について
「Man sentenced to life in prison for murdering ex-girlfriend and her 9-year-old son」(Local 12 WKRC-TV)より
https://local12.com/news/local/man-sentenced-to-life-in-prison-for-murdering-ex-girlfriend-and-her-9-year-old-son-burlington-kentucky-joshua-ward-kelli-kramer-aiden
「Polygamist gunned down ex and her young son when she refused to be one of his wives」(Mirror)より
https://www.mirror.co.uk/news/us-news/polygamist-gunned-down-ex-young-26429190