この日、亀田陣営は、大毅が2007年10月にWBCフライ級王者の内藤大助と対戦して以来の世界戦に挑むことになったが、内藤戦では、プロレス技など反則行為を繰り返し、日本ボクシングコミッション(JBC)から1年間のライセンス停止処分を受けた。その後、猛省の日々を送り、復帰後は4連勝。着実に成長を遂げた。
2年ぶりの世界再挑戦に向けて「あの1年を乗り越えて、この1年間練習してきた。オレは大阪人やから。大阪でベルト獲れれば最高やな」と意気込んだ。
亀田ジムとして初の故郷凱旋マッチが世界戦。これ以上ないシチュエーションが整ったが、兄・興毅の胸中は穏やかではない。
興毅といえば、今年の2月に一度はデンカオセーンと交渉したが、王者側のマネージャー二重契約問題で白紙に。その後はWBAから指名挑戦者に認定され、頂上対決は時間の問題だった。だが、交渉は平行線をたどったままで、大毅に先を越されてしまった。
それだけに興毅は「勝ったら勝ったで(自分が)次どうなるかわからん。(大毅が)負けたら負けたで嫌やし。複雑な心境やな」とホンネをポロリ。行く先が見えず不安を抱えている。
「決まったものはしょうがない。出来る限り大毅をサポートしていきたい。営業行こうかな」と気持ちを切り替えた興毅。今後のモチベーションが気になるところだ。