会見で入江社長は、「営業面だけではなく、様々な観点から今回の終了を決断した」とし、「新たな選択をした」とコメント。
具体的な「終了理由」については言及がなかったが、他局と同じ試合を放送していることや、ネットの普及でラジオ中継のニーズが低下していること、レギュラー番組の聴取率が好調であることなどが要因であると見られている。
現在のところ、文化放送とニッポン放送は野球中継を継続する見込みだが、減少傾向にある「野球解説者」の仕事がさらに減ることになるだけに、野球関係者、特に引退間近の選手にとって、TBSラジオの野球中継撤退は大きな痛手だ。
今回のTBSラジオ野球中継終了について、野球関係者のA氏は以下のように分析する。
「キー局の解説者は、元巨人の威光を利用した人間が多いものでした。TBSラジオも、現役時代大した選手ではなかったにもかかわらず、元巨人だけで契約している人間が何名かいた。彼らは、今後契約を切られる可能性がある。
TBSが運営するCS放送TBSチャンネルは、ベイスターズ戦が中心ですので、元巨人は正直必要ない。他局の解説者枠は一杯ですし、地上波中継は皆無。TBSラジオの元巨人解説者は戦々恐々でしょう」(野球関係者A氏)
さらに、A氏は「元巨人ブランド」が失墜していると語る。
「北海道・東北・名古屋・広島・福岡など地元密着型球団については、テレビ・ラジオとも安定した視聴率・聴取率を記録していますが、全国区を謳っていた巨人は、キー局から見放され、中継の需要が極めて低い。
東京ドームの試合に関しては『日テレジータス』が全試合中継していますが、解説者枠は原辰徳氏、山本浩二氏など重鎮で埋まっており、若手の入る余地はない。巨人OBが解説者に転身することは極めて難しい。
その点、日本ハムや楽天、ソフトバンクなどは、地元での人気が高いため、必然的に中継も多くなり、OBが解説者に就職しやすい。当然、球団OBの解説を聞きたいですからね。
昔は、パ・リーグで引退した選手が解説者になることは難しいものでしたが、今は、巨人OBが行き場を失っている」(前出・野球関係者)
「全国区」を標榜し、地域密着を軽視したツケが、今後、巨人OBを苦しめるかもしれない。