今回の放送で山崎氏は、12日から一軍でプレーしているドラフト1位ルーキー・石川昂弥についてトーク。その中で、「2-1」で勝利した15日のDeNA戦での与田監督の采配に疑問符をつけた。
山崎氏が問題としたのは、同戦の6回裏1死一、二塁の場面での采配。「2-1」と1点リードの中日は追加点のチャンスで石川に打順が回るも、与田監督は石川に代え阿部寿樹を打席へ。しかし、代打の阿部は併殺に終わり追加点のチャンスはついえてしまった。
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この采配について山崎氏は阿部が併殺となった点ではなく、石川を代えた点を問題視。「あのチャンスで三振、凡退だったとしても、(この経験は)彼の財産になる。それを取(り上げ)るのはどうなのか」と、石川に勝負どころを経験させなかったことに苦言を呈した。
また、山崎氏は「この打席がダメでもしゃあないと思って使わないと意味がない」とした上で、「ああいう形で代えるなら、石川を一軍に置いておく必要はない」、「スタメンで使うっていうのなら最後まで使わないと」とコメント。一軍で中途半端に起用するぐらいであれば、二軍で経験を積ませた方がいいと主張した。
途中交代を否定する理由について、山崎氏は自身の経験談や楽天時代に師事した故・野村克也さんの言葉を交えて説明している。山崎氏によると、監督時代の野村さんは常々「1打席代打を送っただけで、送られた選手が1年間死んでしまうことがある」と口にしていたといい、自身も現役時代に代打を出されたことをしばらく引きずった経験があるとのこと。山崎氏はこれらを踏まえて、同戦の代打策が石川のメンタルやモチベーションに悪影響を及ぼすのではと危惧した。
今回の石川への代打を含め、与田監督は選手を代えるタイミングが早い傾向があるという山崎氏。「目先の1勝というのは監督なら当然考えなければいけないが、(ドラ1の)石川だから(我慢してほしかった)」と我慢強い起用を求めていた。
山崎氏の発言を受け、ネット上には「ああいう場面を経験させないのなら、『何のために一軍に入れてるの?』って言われるのも仕方ない」、「わざわざ一軍に上げたのなら、未来への投資と思って腰を据えて起用するべきでしょ」、「確かに与田監督は選手交代が早すぎるから、もう少し辛抱強く采配してほしい」といった賛同の声が多数寄せられている。
一方、「代打で出てきたのが阿部だったから、特に悪い采配だったとは思わなかったけどなあ」、「1点差の緊迫した場面なんだから、経験が浅い石川より実績のある阿部に任せる方が理にかなってる」、「石川は打率1割台で阿部は2割台、打てそうな方を優先するのは当然だろ」といった反発も複数見受けられた。
「石川は12日に一軍昇格し同日の試合でプロ初ヒットをマークしましたが、その後の試合はいずれもノーヒットと苦しんでいます。一方、阿部も今シーズンは打率が2割台前半と苦しんでいますが、昨年は129試合に出場し3割近くの打率をマークした実績を持っています。結果は併殺でしたが、経験・実績で石川を上回る阿部を代打に送ったこと自体はあながち間違いではないとも思いますが…」(野球ライター)
ゴールデンルーキーを巡る起用で物議を醸してしまった与田監督。「8-0」で勝利した翌16日の同カードでは石川をスタメンから外してもいるが、今後はどのように起用していくつもりなのだろうか。
文 / 柴田雅人