予定通り(?)執行猶予付きの判決をもぎとった酒井被告。先月26日の初公判では、自身の覚せい剤の使用歴について「4年前に初めて使い、約1年前に再開した」と語っていた。さらに弁護士による被告人質問で、再開した理由を聞かれると、「そのころ私は生活のリズムが乱れていたと思います。朝も昼も夜も動いていて、休む時間がほとんどありませんでした。また私は人に期待されると、頑張りすぎてしまう傾向があり、そのころもそうだったのだと思います。(使用すると)疲れが取れる、体が動くようになることから使ってしまいました」と、よどみなく答えた。
しかし素朴な疑問がひとつ。1年前、酒井被告に「超多忙」と言えるほど仕事があっただろうか? 同被告が高相被告と結婚後、極端に仕事を選ぶようになっていたのは本紙既報の通り。「仕事らしい仕事はなかった」(芸能事務所関係者)はずなのだ。
しかし、確かにこのころ、酒井被告はひとつだけ大きな挑戦をしていた。日本テレビ系「THE M(ディエム)」の司会に、石井竜也、劇団ひとりらとともに大抜てきされ、ほとんど初めてといっていいMC業に進出していたのだ。
同番組は「歌のトップテン」以来久々の日テレ系本格音楽番組として、鳴り物入りで4月に開始。しかし、前評判の高さとは裏腹に視聴率は一度も二けたすら取れず、8月には番組終了の憂き目を見た。「敗因は明らかに企画ミス。出演するアーティストが最新曲ではなく、代表曲を歌うスタイルも受けなかったし、トークバラエティー的な要素をゼロにした構成も時代錯誤だった。その中にあって、のりピーのMCは唯一のウリだったと思いますよ」(民放関係者)
酒井被告が番組終了に「自分の能力不足」を感じたかは分からない。しかし、この仕事ひとつで「朝も昼も夜も忙しい」と悲鳴が出るほど、肉体的・精神的に追い詰められたとは考えづらい。そんな中、酒井被告の疲れの原因は、ほかにあるとの見方が浮上している。
「一種の育児ノイローゼではないかと思うのです」と語るのは、都内に本拠地を持つNPO法人関係者。一般的に育児ノイローゼは、乳幼児を育てる母親に見られる症状といわれるが、「小学生の子に対して折檻をしたり、体罰を与えたりするのも育児ノイローゼに起因している場合が多く、症例は乳幼児を持つ親に限らない。また子に対する愛情がしっかりあっても発症することはある」(同)という。
育児ノイローゼの初期症状としては、ぼんやりすることが多くなり、無表情で注意力散漫になるなどが挙げられるが、突然パニックに陥ったり、極端なマイナス思考になるケースもあるという。このあたり、当時の酒井被告に合致しそうだ。
前出関係者は「症状が進むと子供に体罰したり、問題行動に移行する場合が多いが、中にはそうならず、自傷行為に走る人もいる。酒井被告の場合も、自傷行為としての覚せい剤使用だったのでは?」と見る。
育児ノイローゼ発症の一番の原因は「夫の無配慮」。無職同然の高相被告が仕事と育児に追われる酒井被告に対して、おんぶに抱っこの状態だったことは周知の通り。夫が妻に優しい言葉のひとつでも掛けていれば結果は違っていたかもしれないのだ。
執行猶予付きの判決で更生のチャンスを得た酒井被告にとって、やはり離婚が先決のようだ。