昨秋の中日新聞杯で重賞初挑戦。イケトップガンは、いきなり小差(0秒1差)3着と好走した。ハンデ52キロの恩恵があったとはいえ、ローカルのGIIIなら十分やれる実力を見せつけた。
「休み明けで急仕上げだった」(沼田厩務員)という前走の七夕賞も8着ながら、差は0秒4と見せ場たっぷりの内容。ここに大きく望みをつないでいる。
美浦ポリトラックで行われた注目の最終追い切り(5日)も、終始抜群の反応でラスト1F11秒2と圧巻の切れ味を披露。沼田厩務員、ケイコ役の菅野助手は異口同音に「休み明けを1度使って、ガラッと変わった。中日新聞杯とそん色ないデキで臨める」と、チャンスに虎視たんたんだ。
課題は5連敗中のマイル適性。この点について沼田さんは、「ヨシトミ(柴田善騎手)さんがニコニコしながら『大丈夫だよ。千六でも対応できる』と言ってくれた。きっと策があるんでしょう」と意を強くした様子だ。
柴田善騎手とのコンビは、新馬戦(6着)、昨夏の福島500万戦(3着)に続き、3度目。あれから1年が過ぎ、別馬のごとし。ジョッキーが驚きを隠せないほどの成長を遂げた。
確かに実績不足は否めないが、目下の充実ぶりはそれを補って余りある。とりわけ勝負根性は抜群で「馬込みに入ってもまったくひるまない。平気で馬群を割ってこられる」と沼田さんは頼もしげに話す。これは多頭数戦では大きな武器になる。
「厩務員になって丸21年目になるけど、(重賞を勝つ)一番可能性の高い馬に巡り合いました。理想は道悪だけど、展開ひとつでチャンスはあるはず」
沼田さんはそう言って目を輝かせていた。