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『原監督の後輩』がプロ入りに一変した本当のワケ

 巨人は『ドラフト指名リスト』を作り替えることになりそうだ。10月12日、今夏の甲子園大会準優勝投手・一二三慎太(18=東海大相模高)が『進学』を取り止め、プロ志願届を提出した。

 一部報道によれば、本人のプロ志望の思いが抑えられなくなったという。一二三は原辰徳監督(52)の後輩に当たる。08年、やはりドラフト会議直前で同校の大田泰示内野手(20)がプロ志望届を提出し、1位指名を長野久義外野手(25)から切り換えた経緯もあるだけに、巨人の動向が注目される。
 「大田を高く評価しているのは巨人、中日、広島です。広島は高校生を大量に指名し、育成する基本方針があるので、上位で一二三クンを獲得してくるかもしれない」(在阪球団スカウト)
 推測の域を出ないが、先輩・大田のように、「巨人が指名に参画する確証があって、進学を取りやめたのではないか?」と穿った見方をする関係者もいた。
 一二三はもとより、学校関係者から「巨人」の名前は一言も出ていない。一二三が夏の甲子園大会前、「原辰徳さん以来となる夏の甲子園出場を」と話していた。同校は原監督が主将を務めた1977年以後、夏の甲子園大会には出場していない。一二三は2010年度の主将として、33年ぶりの夏の甲子園進出を意識した発言をしており、そこから「巨人ファン」なる“誤解”も生んでしまったようだ。また、巨人が一二三を高く評価しているのも本当だが、両者の間に怪しいやり取りは全くなかった。

 しかし、一二三は指名された球団如何では、プロ入りを拒否する可能性もある。
 「一二三クンはピッチャーで勝負したいんじゃないかな?」(前出・同)
 一二三投手はセンバツ大会後、サイドスローに転向したが、7月の神奈川県大会では150キロをマークしている。サイドスローで150キロとは圧巻だが、『打者・一二三』の方を高く評価するスカウトも少なくない。漏れ伝わってくる限りでは、前述の巨人、中日、広島も「将来のクリーンアップ候補」と判断しているようである。
 「阪神の秋山(拓巳)が1年目から一軍登板したことも影響しているのではないか? 秋山は昨夏の甲子園で好投したものの、バッターとして評価するスカウトの方が多かったんです。阪神も打者転向の含みを持っていたようだけど、本人の強い希望もあって投手一本で勝負し、結果を出したんです。一二三は秋山に自分を重ねているのでは…」(球界関係者)
 一部報道によれば、一二三は甲子園大会後、野手転向を受け入れる発言もしていたとあった。しかし、東都リーグの関係者に聞くと、「投手でやりたい意志を、学校を介して伝えてきた」と言う。おそらく、一二三は投手をやりたいのではないだろうか。東都リーグ関係者はこう続ける。
 「一二三はオーバースローの練習を再開しています。サイドスローに転向した理由は制球難を克服するためで、『高校から上のレベルでやるには、オーバースローで強いボールを投げなければならない』と悟ったようです」
 甲子園大会直後のアメリカ遠征では、サイドスローで投げていた。1年間で2度も投球フォームを変更するのは『勇気』だが、「迷っている」とも考えられるが…。
 前出の在京球団スカウトがこう言う。
 「投手で勝負させてくれない球団に指名されたら、交渉決裂ということになるかもしれない。現行のドラフトルールだったら、何の障害もなく、プロ球団との交渉後の大学を受験できるからね」

 周囲は「打者に専念すべき」と見ているが、本人の決意は固そうだ。慢性的な投手不足にあるチームに指名されればともかく、打者転向を前提とした球団なら、指名後の交渉は難行しそうだ。巨人・原監督はカワイイ後輩を他球団に奪われたくないだろう。即戦力投手の補強は必須だが、『外れ1位』に一二三を指名して来るかもしれない…。

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