本作は、「幕末」「戦国」がメインのNHK大河ドラマにとって「近代」が舞台になるのは、1986年に放送された『いのち』以来およそ33年ぶりのことであり、また、主人公サイドも「日本マラソンの父」と呼ばれたマラソン選手の金栗四三氏、東京オリンピック招致に尽力した田畑政治氏という世間的にはあまり知られていない陰の偉人達を描くことも注目されている。
第1話では、ビートたけし演じる落語家の古今亭志ん生が寄席で語った1909年の日本のオリンピック初参加にまつわる噺を中心に、役所広司演じる柔道家の嘉納治五郎の苦悩などが描かれた。登場する人物の多さ、精巧に作られたミニチュアセットの豪華さなど、これまでの大河ドラマではあまり見られなかった珍しいシーンが続出。ネットでは「全く新しい大河ドラマだ」と評判も上々のようである。
そんな中、一部視聴者の間ではこんな声もあるという。
それは「タイトルロゴのデザインが怖い」という声だ。『いだてん』のタイトルロゴは「い・だ・て・ん」の4文字の上に3本の足が重なるようなデザインで、さらに、動画ではその足がクルクルと回転するというインパクトの強いもの。NHKの『いだてん』公式HPには、このロゴが大きく表示されているほか、1月2日にNHK総合で放送された『カウントダウン!大河ドラマ「いだてん」いよいよ開幕!』という特別番組では、背景にCGで作られたクルクル回る足が大量に設置されているという、かなり狂気じみた世界観となっていた。
本デザインを担当したのは、世界的なデザイナー・美術家の横尾忠則氏。確かに芸術性は高いと思われるが、やはり不気味に感じた人は多いようで、放送後には「『いだてん』のロゴ怖くない?」、「トラウマになりそう」との声が相次いでいるという。そのため、一部では既に、NHKに対し「ロゴをなんとかしてほしい」というクレームに近い意見が多く寄せられているといい、もしかすると、現状のロゴは放送途中から別なものに差し変わるのではないか、との推測もあるという。オリンピックにまつわるロゴといえば、2015年に大騒ぎになったデザイナー佐野研二郎氏の盗作疑惑からの差し替え騒動が記憶に新しいところ。
今回の『いだてん』も途中に差し替え!…という事態にならないよう十分に注意してほしいところだ。