同調査は厚生労働省のストレスチェックで77点以上だった人を「高ストレス女性」、39点以下だった人を「低ストレス女性」と定義。高ストレス女性と低ストレス女性の回答を調べると、料理、掃除・洗濯時間をやりくりする方法に差が見られた。また、パートナーが担当している家事の内容についても差があったのだ。
労力のかかる家事の1つだと言える「トイレ掃除」は高ストレス女性のうち、11.3%がパートナー(夫)に任せているという結果が出た。一方、低ストレス女性は16.5%が任せていた。両者には1.45倍の開きがある。ストレスが高ければ高いほど労力を必要とする家事に女性自身が取り組んでいることが分かった。一方、「クリスマス・ハロウィンの飾りつけ」は真逆。低ストレス女性は5.6%しかパートナーに任せていなかったのに対し、高ストレス女性は8.2%と、1.47倍の開きが出た。ストレスが高ければ高いほど、パートナーは楽しみながらできる「家事」に精を出しているようだ。
パートナーが家事に積極的でなければ、女性のストレスに影響すると同調査では推測していた。その可能性は大いにありそうだが、そもそも、「クリスマス・ハロウィンの飾りつけ」が家事かどうか自体に疑問が残る。世の中の既婚男性は、どこからを“家事”だと思っているのだろうか。
「ゴミ出しはしています。ほかには特に何もしていませんが、妻は専業主婦なので、あとの家事は全て任せても当然かと⋯⋯」(30代・男性・営業)
「食べたら自分の食器を洗う、子どもをお風呂に入れる、とか。共働きなので、少しは協力できているかと思います」(30代・男性・経理)
「家事は必ず女性が全てやるべきだとか、そういった考え方ではないですが、自分が何かを手伝っているかと言われると、自信はないです」(40代・男性・公務員)
専業主婦であろうと兼業主婦であろうと、結婚していなかろうと、女性にとってはなかなか厳しい意見ばかり。まだまだ、「家事は女性が中心的にやるもの」という風潮が強いのだろう。
「低ストレス女性」の家庭では、実際にうまく家事分担ができているのか。ストレスチェックの点数が低かったという既婚女性に話を聞いた。
「専業主婦ですから、基本的な家事・育児は私がやっていますが、夫は保育園の送り、子どものオムツを替える、休日は家族の食事を作ってくれるという、いわゆる“イクメン”です。夫に全く不満がないと言ったら嘘になりますが、日常生活であまり強いストレスは感じません」(20代・女性・主婦)
「うちは共働きで、夫と私の収入は同じぐらいですが、その分、夫も家事を積極的にやってくれています。私が体調を崩したり、会社の飲み会があるときは安心して家のことを任せられますし、かなり珍しい家庭なのかもしれないですね」(30代・女性・営業)
やはり、既婚女性がストレスをため込まないためには、パートナーの家事・育児への積極性も重要なポイントなのかもしれない。せっかく縁があって結婚したのであれば、お互いが納得のいく形で家事を分担したいものだ。
文/浅利 水奈