この札束は今年1月、愛媛県知事宛に匿名で段ボールに入れられた状態で届けられたもの。札束は変色しくっつき、剥がすことができなかったものの、全て本物の1万円札だった。また、段ボールには手紙が入っており、「何かの役に立ててほしい。差出人の氏名や住所は架空です。そっとしておいてほしい」と書かれていた。愛媛県では、日本銀行に調査を依頼し、新しい札に交換する方針を示していた。
県庁は方針通り、札束を日本銀行松山支店に預け、調査を依頼。29日になり、その結果が判明し、1万円札として確認できたのは1億619万円、さらに半額で引き換えられた1万円札が84枚で42万円あり、総額で1億661万円。そして判別できなかった1万円札が19枚あったことも確認された。
なお、ダンボールに入った1万円札は旧札の聖徳太子ではなく、福沢諭吉ではあるものの、デザインは昭和59年から発行されていた古いタイプだったという。どうやら長くどこかの場所で眠っていた公算が高いようだ。
愛媛県の中村時広知事は、この調査結果を受け、「善意に対して心から感謝申し上げたい」とコメントし、お金の使いみちについては、災害対策や子育て対策に使っていく方針だ。なお、現状では、差出人の特定に繋がる情報などを流す予定はないという。偽名だとはいうが、リアリティ追求のために実名報道を行うのは止めてもらいたいものである。
このニュースに、ネットユーザーからは「心温まるとまでいかないよね…」「悪いことで儲けたお金かもしれない…」「なかったことにしたいお金かな」「脱税したお金じゃないの?」など、懐疑的な声が。しかし、「ありがたく使ったほうが良い」「詮索はしないほうが得策だと思う」「最終的に寄付なんだからいいのでは」と、「使うべき」という意見が大半だった。
どのようなお金かわからない以上、少々気持ち悪い気もするが、素直に使っておいたほうが良いのかもしれない。