逮捕されたのは、福岡県小倉市に住む無職の46歳の後藤孝宏被告。同被告は今年2月、当時11歳から17歳の子供3人に対し、ペットをしつけるスタンガンを押し付け、長男に火傷を負わせた。
後藤被告は長女が5歳の頃から日常的に虐待をしていた。長年虐待に耐え続けていた長女は、専門学校の教諭に相談。そこから、児童相談所、警察と連絡が回り明るみとなり、後藤被告は逮捕された。
実の親を警察に通報した形となった、子どもたちの心中は察するに余りあるが、幼少期から虐待を受け続けていただけに、憎しみしかなかったのかもしれない。そして、相談も「苦しみから解放されたい」という気持ちだったのだろう。後藤被告は逮捕後、警察の取り調べに対し、「しつけのためだった」などと供述。自身の行動を正当化していた。虐待を「しつけ」と誤魔化すのは、常套句である。
28日、福岡地裁小倉支部は後藤被告に対し、「教育方針は独善的で罰を与える手法は常軌を逸している。悪質な虐待行為で、子どもたちに容易に癒えない傷を与えた」と断罪し、懲役2年、執行猶予4年の判決を言い渡す。
そして、実刑ではなく執行猶予付きとなったことについては、「子どもたちと距離を置くことを誓っているため」とした。
この判決に、ネットユーザーから「罪が軽すぎる」「虐待の抑止になるとは思えない」「なぜ虐待した親に情けをかけるのか」と怒りの声が噴出する。執行猶予の根拠となった「距離を置く」発言についても、「嘘に決まっている」「監視に限界がある」など否定的な声が並んだ。
後藤被告に限らず、子供に酷い虐待を加える親は急増している。今回の場合、子供が耐え抜いたが、エスカレートした殺人や苦にした自殺の可能性もあった。長年虐待を受け、決死で被害を訴えた結果の罰が、たった2年で執行猶予付きでは、納得が行かないのは当然だ。