15日に天津ライオンズをシリーズ新記録の16得点で破り、1位通過を決めた西武。統一とのライオンズ対決に臨んだ。
先発のエース、涌井が7回途中まで10奪三振の力投。星野、大沼、岡本真の中継ぎ陣も1安打に抑え得点を許さなかった。
だが、打線も統一投手陣を打ち崩せず。息詰まる投手戦のまま9回へ突入した。延長戦突入かと思われた9回裏2死、石井義が四球で出塁。続く佐藤の左中間への打球で、石井が一塁から一気にホームイン。サヨナラ勝利で、日本勢による「4連覇」を達成した。
試合後、渡辺監督は「チーム全体でナンバーワンになりたいという気持ちが出た。最高のゲームができたと思いました」と語った。
西武をアジア王者へと導いたのは、言うまでもなく石井の激走。この好走塁を呼び込んだのは要因は何だったのか。
渡辺監督はシリーズ前にビデオで統一の外野陣をチェック。「送球の甘さがわかっていた」と明かした。
さらに決勝点のホームを踏んだ“裏MVP”石井は、1987年の日本シリーズのDVDを購入し「あの試合のDVD買って観ていた」という。
あの試合とは、87年の西武×巨人戦の日本シリーズ第6戦。西武・秋山が中前打を放ち、クロマティの緩慢な送球の間に一塁走者・辻が一気に生還した。「あれができたんでよかった」と語る。
勝利を呼び込んだ石井の激走の背景には2つの要因があった。事前に相手を研究し尽くしていたからこそ、成し遂げた栄冠だ。