太い胴体に細長い尾を持ち、牙には毒を持つとされるヘビの姿はみなさんもよくご存知のことだろう。大ブームとなった1970年代から現代に至るまで、その正体は「外来種のヘビ説」や「見間違い説」などさまざまな仮説を立てられている。
さて、そんなツチノコであるが実は世界には日本のツチノコと非常によく似た未確認生物の姿が目撃されている。
右の写真は「タッツェルブルム」と呼ばれるアルプス山脈で撮影された謎のヘビのような生物である。
ビジュアルはヘビというよりトカゲに近いが、小さな前足はあるものの後ろ足はなく日本のツチノコのように尻尾が極端に細いのが特徴といえる。
身長はおよそ60センチから1メートルとされており口には鋭い牙があり雨の時期にかけて数多くの目撃談が寄せられている。
タッツェルブルムはヨーロッパ地方に多く現れるとされており、古くからの伝承も数多い。ビジュアルも目撃者によって違うのが特徴で、爬虫類タイプのものからネコの上半身を模したものなどさまざまなイラストが残されている。このように目撃者によってまったく違う未確認生物が確認されているのは非常に珍しいといえる。
しかし、爬虫類タイプ、ネコ型タイプともに共通しているのは小さい前足が必ず付いている点で、どちらかと言えばツチノコよりも「人魚」のほうがイメージに近いのかもしれない。
またタッツェルブルムの全身骨格なる骨も発見されているがこちらも正体は不明である。
タッツェルブルムはイラストでは家畜や人間を襲う姿が描かれているが、実際に写真に撮影されたのは可愛らしいトカゲのような生物だったためか、その後はあまり目撃例がないとされる。
日本のツチノコとともに再度の検証が期待される未確認生物である。
文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)