今季のラミレスは4月6日のヤクルト戦(神宮)で、外国人選手初の通算2000本安打を達成した。ところが、その後は出場機会が激減。代打に甘んじることが多くなり、わずか55試合の出場で、130打数24安打2本塁打13打点、打率.185と極度の不振。6月2日の日本ハム戦(旭川)での本塁打を最後に、22打席無安打が続いていた。
もともと、今季、ラミレスは中畑清監督の“構想外”だった。左翼守備に大きな不安があるため、大記録達成とともに、次第にベンチを温めることが多くなった。幸い、ラミレスをスタメンから外しても、ベテランの多村仁志や金城龍彦がおり、若手の井手正太郎、下園辰哉らが台頭。また、本来、内野手の筒香嘉智の左翼起用も増え、困ることはまるでない状況だ。
代打屋で結果が出せれば良かったが、元来、配球を読んで打つタイプのラミレスは、1打席勝負の代打は水に合わず、全く結果が残せなかった。
守れない、走れない、打てないでは、もはや1軍にラミレスの居場所はなくなった。表向きは再調整だが、このまま、2軍で飼い殺しにされてしまう可能性もありそうだ。
ラミレスにとっては、2軍で干されるくらいなら、指名打者制のあるパ・リーグにトレードしてもらった方がいいとの思いもあるだろう。しかし、その際にネックとなるのが3億5000万円(推定)の高額年俸だ。パ・リーグでラミレスに興味を示す球団があっても、年俸が原因で二の足を踏んでしまう。移籍を実現させるには、年俸の大半をDeNAが負担すること以外になさそうだ。
DeNAでは将来の監督候補とも目されるラミレス。このまま、2軍に幽閉されて、強制引退の道へ向かうこともあるかもしれない。
(落合一郎)