1695試合での記録到達は、川上哲治(巨人)の1646試合に次ぐ、史上2番目のスピード達成となった。
ラミレスは98年にインディアンスでメジャー昇格。00年途中に、パイレーツに移籍。メジャーでは控えとなることが多く、実働3年間で、通算安打数はわずか86本。
01年、「家と車のローンを返済する」目的で、日本に渡り、ヤクルトに入団。1年目から、29本塁打、88打点、打率.280の好成績を収める。3年目の03年には40本塁打、124打点、189安打で、本塁打王、打点王、最多安打のタイトルを獲得し、初の3割(.333)をマークした。
以降、ヤクルトの中心打者として活躍したが、契約問題のこじれから、07年オフに自由契約となり、巨人に移籍。08年には125打点で2年連続の打点王、09年には打率.322で初の首位打者、186安打で3度目の最多安打に輝く。10年は49本塁打で2度目の本塁打王、129打点で4度目の打点王を獲得し、自己最高のシーズンとなった。
しかし、11年から導入された統一球に苦しみ、同年は23本塁打、73打点、打率.279と自己ワーストのシーズンとなり、出場機会も減った。
そのため、出場機会を求めて、12年にDeNAに移籍。19本塁打、76打点と長打力は落ちたが、2年ぶりの3割(.300)をマークし、アベレージヒッターへの転換を図った。
そして、2000本まで残り7本となっていた今季、7試合目で大記録を達成した。足が遅く、内野安打が期待できないことを考慮すると、13年目1695試合でのスピード達成は、ラミレスならではの打撃技術の高さがあったからこそだ。
そんなラミレスだが、大記録を達成したことで、チーム構想で“お役御免”へと向かうというのだから、ことは穏やかではない。現実として、翌7日のヤクルト戦(神宮)では、7回表終了時、4-4の同点にも関わらず、早々に守備固めのため、交代させられた。
某スポーツ紙記者は「ザルといえるラミレスの左翼守備は、最下位脱出を狙うDeNAのガンでもあったわけです。昨季終了後、中畑(清)監督はミーティングで、『来季は厳しくいく。ラミちゃんも、あの守備では使えない』と明言しています。2000本安打達成で、今後、ラミレスは早々に交代させて守備固めを入れるか、代打要員になる可能性が高いです。幸い、控えにはソフトバンクから復帰した多村(仁志)や金城(龍彦)らのレギュラークラスの選手がいますから、ラミレスを外しても困りません」と語る。
次なる目標に、あと21本と迫った400本塁打を掲げたラミレスだが、フル出場しないと、年内の達成は難しい数字。推定年俸3億5000万円といわれるラミレス。今後の成績次第では、日本一高給取りの代打屋に降格してしまうかもしれない。
(落合一郎)