年俸的にはラミレスが3億5000万円プラス出来高5000万円(推定)、村田は2億2000万円(推定)で、DeNAの負担の方が大きい。
「優勝争いがしたい」と移籍した村田は、巨人の第76代4番打者にも就いたが、残した成績は144試合すべてに出場、516打数130安打12本塁打58打点、打率.252。一方のラミレスは137試合出場、476打数143安打19本塁打76打点、打率.300ジャスト。
単純に数字だけを比較すれば、村田が上回っているのは出場試合数だけで、安打、打点、本塁打、打率とすべての面で、ラミレスが上回った。
昨季、村田は144試合出場、530打数134安打20本塁打70打点、打率.253で、本塁打と打点が大きく落ちた。今季の村田は走者がいる際は、一発ではなくヒット狙いにいくケースも多かったので、多少の本塁打減は致し方ないだろう。ただ、もともと村田は打率が低く(今季で3年連続2割5分台)、セールスポイントは本塁打。7年続けていた20本塁打もストップし、村田に求められていた一発の期待に応えられなかったのはマイナスポイント。
一方、昨季のラミレスは137試合出場、477打数133安打23本塁打73打点、打率.279。本塁打と打点は昨年並みだったが、打率は大きくアップして、2年ぶりの3割をマークした。
チームへの貢献度のひとつの指針になるのが、得点圏打率。これは、ラミレスの.281に対し、村田は.230(リーグワースト5位)でチャンスでの弱さを露呈。元来、村田は得点圏で打てないことで有名。昨季は両リーグでワーストの.196だった。それを思えば、今季は頑張ったといえなくもないが、得点圏で.230しか打てないのでは、クリーンアップの役目を果たしたとはいえない。
そして、DeNAは村田の人的補償で、巨人から藤井秀悟投手(35)を獲得した。年俸は3500万円(推定)と格安。昨季、1試合登板しただけで無勝利だった藤井が、今季は16試合に登板し、7勝(7敗)を挙げた。これはチーム内では最多勝の三浦大輔投手(38)の9勝に続き、高崎健太郎投手(27)と並んでチーム2位。年俸を考えると、上出来でうれしい誤算だった。
一概に数字だけで比較するわけにはいかないが、藤井の活躍を含めて、トータルで見れば、得をしたのはDeNAといえそうだ。
(落合一郎)