「秋山選手と1人の男としてやりたい。今このタイミングで試合をしたい」。いつになく狂拳の語気は荒かった。
HERO'Sデビュー戦こそ9秒殺をやってのけたが、その後はドロ沼の4連敗を喫している。5・11「DREAM.3」のミドル級GP開幕戦でもジェイソン“メイヘム”ミラー相手に何もできないまま、パウンドの連打で屈辱のTKO負け。それだけに「今このタイミングで試合したい」と起死回生のチャンスをうかがっていた。
そんな矢先に思い立ったのが秋山狩り。この日のイベントで次戦「DREAM.5」の緊急参戦が決まり、まだ対戦相手が決まっていない同じミドル級の秋山を指名。もしここでHERO'S初代王者の秋山を破れば、ドロ沼の4連敗も一気に吹っ飛ぶ絶好の機会だけに「一人の男として闘いたい」と切望したのだ。
秋山がただ単にビッグネームだから対戦要求したわけではない。柴田によれば「(秋山に)魅かれるところは1つもない。でも第一印象から決めていた」とのこと。「一人の男として闘わなきゃいけない」とひたすら同じ言葉を繰り返す。
最後まで挑戦状の動機こそ明らかにしなかったが、秋山といえば、先輩レスラーの石澤常光を倒したり、ヌルヌル騒動を起こした“IQレスラー”桜庭和志とも因縁がある。日ごろ「プロレス最強」を唱える柴田には格好の相手なのだろう。
一方、秋山戦要求に笹原圭一プロデューサーは「まずは今回の話を秋山選手サイドに入れてみてからですね」と回答。さらには秋山が登場する5日の同ファンイベント「FIGHT FESTIVAL」(午後1時開始)内で対戦カードを発表することも明言した。
反骨の柔道王に下剋上を叩きつけた柴田。最後は「やる前から負けることを考えるバカがいるかよ!」と猪木語録を用いて意欲を示した。