前半5F64秒0と極端にスローペースだった1阪・新馬戦は2番手でピタリと折り合い、上がり3F34秒3で快勝。逆に、前走・セントライト記念では前半の1000m59秒1と速い流れを終始、好位で追走、直線あっさりと抜けだし完勝を飾った。菅沼助手の口からも「遅生まれでまだ成長途上のなか、4戦4勝なのだから、すごい馬だよ」と賞賛の言葉しか出てこない。
初の3000m。3冠がかかったディープインパクト(2005年)ですら、スタンド前のストレート(1周目)で折り合いを欠いたが、同馬にその心配はない。同助手が「三千は未知の領域だが、折り合いがつくので、乗り役の意のままに乗れる。克服できる」と言えば、セントライト記念のレース後、柴山騎手も「入れ替わりの激しいなかで、しっかりと折り合っていた。距離が延びても大丈夫」とはっきりと口にしている。
遅生まれの特権である斤量2kg減は今回も適用される。春はレース後、「クタっとしてなかなか疲れが取れなかった」(堀師)が、「使った後も回復が早くなり、動きはさらに素軽くなっている。状態は前走以上」と菅沼助手。中間も併せ馬を3本としっかり乗り込まれており、死角らしい死角はまるで見当たらない。
遅れてきた南半球産の大物が混戦の3歳牡馬戦線に断を下す。