あまりにも衝撃的な結末だった。レースは前半3F通過が34秒6と淀みのない流れ。このペースにうまく乗じたレジネッタの末脚が、桜の大舞台で見事に弾けた。
今年2つ目の重賞Vが自身初のGI制覇となった小牧騎手は「全国のフアンのみなさん、お待たせしました。勝てて良かったです。これまで悔しい思いばかりしてきたし、半ばあきらめた時期もありました」と感極まった様子で目頭を熱くさせた。
“男”にしてくれたレジネッタについては、「追い出しをできるだけ辛抱して、勝ち急がなかったのが勝因。折り合いもついたし、前回よりだいぶ馬ができていて、しっかり伸びました。もっと良くなると思うし、勝負根性も抜群。一戦一戦大事に乗って、どんどん大きいところを獲っていきたい」と期待に胸を膨らませていた。
一方、浅見師も「うれしいですね。賞金的に1番下だったのに、チャンスを生かせました。馬券をもっていた人は気持ち良かったと思うが、私はもっと気持ち良かった」と満面の笑み。「ゲートで少し興奮していたが、中で1度立ち上がったら落ち着いた。道中の手応えが良かったから弾けてくれると思った。それにしてもよく走ってくれた」と感心しきりだった。
次走については、「できればオークスに行きたいが、とりあえず放牧へ出します」と今後の状態を踏まえながら決める予定だ。
これで桜花賞を終えても重賞2勝以上馬が不在と、今春の牝馬クラシック戦線はさらに混戦に拍車がかかってきた。この日も勝ち馬レジネッタから9着エアパスカルまでが実に0秒5差内にひしめき合う大激戦。いまだ確たる主役馬は不在だ。
今後、オークスまでの道のりで、重賞はトライアルのフローラSを挟むことになる。そのフローラSでも新星が誕生となると、いよいよオークスを制すのはいまだタイトルとは無縁のダークホース…ということになる!?