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本当にあった怖い彼氏(20)〜彼がペットを飼おうとしない理由〜

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画像はイメージです。

海田風美(24歳・仮名)

 私は小さい頃から実家で犬を飼っていたこともあり、ワンちゃんが大好きです。上京してからは、アパートのルールや経済的な問題でペットは飼っていないのですが、いつかまた一緒に住みたいと考えています。なので今は街のペットショップを見つけたら、お店に入って触れ合ったりすることもありますね。でも彼氏だけは、どれだけ誘っても、絶対にペットショップへ入ろうとはしませんでした。なぜかと聞いても最初は教えてくれなかったのですが、2人でお酒を飲んでいる時、酔った彼が、その理由を教えてくれました。

 彼は現在、フリーターなのですが、以前は保健所で働いていたそうです。そして彼はそこで、捨てられた犬や猫の殺処分場を担当していたというのです。お酒の勢いもあって彼はそこであったことをいろいろと教えてくれました。犬と猫は基本的にガス室で殺処分され、焼却炉で燃やされた後、ゴミと一緒に埋められるとのこと。犬たちは最後まで、飼い主が迎えに来てくれると信じているかのような表情を浮かべ、苦しみながら死んでいくそうです。ある時、飼い主が迎えにきたこともあったそうですが、その人物は高価な首輪だけが勿体ないと回収し、取り外した後は平然と帰って行ったなんて話も聞きましたね。

 彼も最初はそんなペットたちに同情していたそうですが、日々、殺処分しているうちに、なんとも思わなくなってきたとも話していました。でもペットショップへ行くと思い出すこともあるため、踏み入れたくないとのこと。

 年間、10万頭以上の犬猫が捨てられているなか、保健所の仕事自体は必要だとは思います。なのでそういった仕事をしている人を差別するつもりはありません。でもある日、近所のスーパーへ一緒に行った際、店内に動物は入れられないため、歩道に紐で結びつけられている犬を見つけたことがありました。そして私たちがその前を、通りかかると、なぜか犬が彼の方に向かって、もの凄い勢いで吠え始めたのです。それはまるで彼の過去が犬だけには見えているかのような、敵意のむきだし方でした。すると次の瞬間、彼は「チッ! うるせぇな!」と、とても冷たい表情で舌打ちをしながら言い放ったのです。さらに近くのガードレールを思いっきり蹴って威嚇していました。

 以降、どうしてもその時の出来事が忘れられず、もし将来、彼と一緒になっても、ペットを飼うことは無理かもしれないと考えるようにもなりました。なのでしばらくして、彼とは結局、別れましたね。

(取材/構成・篠田エレナ)

写真・ liverpoolhls

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