「まだ付き合い始めの頃、私が『時間に追われている時はファーストフードで食事を済ます』という話をしたんです。すると彼に『そういう食品は添加物が大量に入っているからやめたほうがいいよ』と言われました。その時はまだ、健康に気を使っている人なんだなという印象しかありませんでした」
だが彼の食品成分に対するこだわりは、その後もずっと続いたという。
「昨年の夏、彼の家に遊びに行く際、途中のコンビニでアイスを買っていってあげたんです。すると彼は、袋の表記を見ながら『これアイスクリームじゃなくて、ラクトアイスじゃん! 植物性油が大量だから食べたくない!』とせっかく買ってきたのに、一切口をつけてくれませんでした」
それからというもの、美香さんは彼と一緒に食事することが楽しくなくなり、何か言われる度にドン引きするようになっていく。
「他にも、私がサラダにマヨネーズをかけて食べていれば『そんなトランス脂肪酸の入ったものをよく使うよね』とバカにした口調で言われ、ひじきを食べていた時も『ひじきは無機ヒ素の濃度が高いから、小鉢1人前当たり58分の寿命が縮むってWHOが指摘してるの知らないの?』と、本当に気分が滅入ることばかり言うんです。確かに彼の言うように、そう言った不健康な成分が入っているのかもしれません。でもそんなことを言ってたら何も食べられないじゃないですか。私は将来の健康状態を気にしすぎるよりも、今の食事を楽しみたいです」
一方、彼は野菜中心のベジタリアンであるため、美香さんは「一緒に食事をするジャンルが限られるのも不満」と話した。この先、彼とのストレスが限界に達するようであれば、別れも考えているという。
(取材/構成・篠田エレナ)
写真・Mokeneco