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「渋井哲也の気ままに朝帰り」デトックスしたのに朝の五時?

 ここ数週間は、仕事やプライベートな理由で、ずっと朝まで飲んでいました。

 もう飲み過ぎというほどです。飲み過ぎても吐くということはめったにありませんが、目覚めるときに気持ち悪いこともあります。

 そんなときは、もうデトックス(解毒)しかありません。

 みなさんはどうやってデトックスをしているのでしょうか。「スポーツで汗をかく」という人もいれば、「当面の間お酒を飲まない」という人もいるでしょう。私が最近やっているのは、岩盤浴です。スポーツで汗を流すのもよいですが、岩盤浴も気持ちがいいのです。

 先日も、岩盤浴に行ってきました。歌舞伎町内にはいくつかの岩盤浴があります。私は最近、あるところに通っています。その日は、予約で一杯だったために、待ち時間があったほどです。みんな、デトックスしたいのですね。

 一時間の岩盤浴を済ませた後、「よい汗をかいた」と思ったので、すぐに家に帰ろうと思ったのです。すると、深夜だというのに、たくさんの人が集まっているのです。

 歌舞伎町が騒然としていました。どうやらケンカのようです。

 「6月になってケンカが多いんですよね。警察の捜査車両も多いですしね」と、歌舞伎町で知り合った男性が言っていました。歌舞伎町が物騒になったのでしょうか、あるいは、活気が戻ってきたのでしょうか。

 岩盤浴で汗をかいたものの、ケンカを見てしまったので、心の中がざわついてしまった私です。知り合いの飲み屋で軽く一杯飲んで行こうと思いました。ほんとに、一杯で帰ろうと思ったのです。

 すると、マスターに「ちょうどよいところに来たな。話を聞いてやって」と言われました。女性が失恋し、どうも納得がいっていないようでした。

 私は、恋話が好きで、「出会い系サイト」や「ウェブ恋愛」についての本を書いています。それを知っているマスターは、恋に悩んでいる女性がいると、私に話をふることがあります。

 この夜もそうでした。

 失恋の場合、ふる側には流れがあります。

 しかし、ふられる側は、予兆を感じていなければいないほど、突然で、納得がいきません。彼女の話もそんな内容でした。

 好きな人と会えなくなるのは、誰にとっても納得がいかないものです。ただ、失恋というのはそういうものです。

 ようやく恋の話が終わりましたが、時間をみると、朝の5時を過ぎていました。「ああ、今日も朝まで飲み歩いちゃったよ。せっかく岩盤浴に行ったのに…」

<プロフィール>
渋井哲也(しぶい てつや)フリーライター。ノンフィクション作家。栃木県生まれ。若者の生きづらさ(自殺、自傷、依存など)をテーマに取材するほか、ケータイ・ネット利用、教育、サブカルチャー、性、風俗、キャバクラなどに関心を持つ。近刊に「実録・闇サイト事件簿」(幻冬舎新書)や「解決!学校クレーム “理不尽”保護者の実態と対応実践」(河出書房新社)。他に、「明日、自殺しませんか 男女7人ネット心中」(幻冬舎文庫)、「ウェブ恋愛」(ちくま新書)、「学校裏サイト」(晋遊舎新書)など。

【記事提供】キャフー http://www.kyahoo.jp/

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