しかし、7月に入ると打率は.326と上昇。ホームランは4本だったものの、オールスター後の打率は一時、3割後半をマークすると、得点圏打率は9割を超える驚異的な数字を残し、確実にソトのバットでチームをも上昇気流に乗せていった。
8月3日の横浜スタジアムで放った28号ホームランは、照明灯よりも高い44メートルまで上がってレフトスタンドへ着弾した。7月4日の同じく横浜スタジアムでの25号は、17度の角度しかつかないながらも、178.1キロの打球速度での弾丸ライナーで左中間に叩き込んだ。8月7日のマツダスタジアムでの29号は右中間に運ぶなど、右に左にバックスクリーンにとバラエティーに富んだホームランが打てることもストロングポイントであろう。
個人成績でもホームラン29本は、ジャイアンツ・坂本勇人と並んでトップで、打点は77で単独トップとなっており、現在2冠王に君臨している。昨年は8月に11本、9月に10本と驚異のペースでホームランを打ち続けたソト。南米プエルトリコ出身だけに、気温が上がるとともに自らの調子も上がっていく兆候にあるのは間違いない。
昨年はホセ・ロペスや筒香嘉智などの主力に怪我人が続出しながらも、CS進出争いが出来たのは、投手陣の踏ん張りと、ソトの打棒によるところが大きかった。今年は打線の奮起で勝利する試合も増えてきただけに、ソトが昨年同様の破壊力を見せつけることが出来るならば、悲願のリーグ優勝がグッと近づいてくる。
取材・文・写真 / 萩原孝弘