サバイバル飛田(埼玉プロレス代表)vs 『全温度地底人!』
記念すべき50回大会に登場する怪人は『全温度地底人!』。
今回も飛田自らが“召還”した怪人“地底人”は、「体長160cm〜175cm位?」「あらゆる地球の気温に適応する」「メタボ体型」「直射日光を嫌う」「四季を通して田畑の農作物を荒らす」というフレコミ。両手にスコップを携え、巨大モグラのような出で立ちである。
試合開始直後から、そのスコップで攻め立て、飛田の額を割って流血させた地底人だが、その攻めは今ひとつ踏み込みが甘く、飛田の怒りの導火線に火をつけてしまう。
ぐにゃりと変型するまで、地底人の背中をイスで殴り続けた飛田は、さらにピストル(!)を持ち出し、けたたましい火薬音と硝煙のにおいとともに、地底人のコメカミめがけて乱射! そしてさらにさらに、熱量増し増し気味(?)のCGを、地底人の全身に浴びせかけ、完膚無きまでに焼殺! いつも以上に“怖い飛田”に、猛暑にもかかわらず会場が凍りついた。
「ダメな奴は、お面被ってもやっぱりダメだな。…怪人の内蔵っていうのもさ、レバ刺しになる奴と加熱処理専用になる奴に分かれる、その違いが出たな今回は。…しょっぺぇよ…」
と、地底人にキレた怖い飛田の腹の虫は、試合後も収まらない。試合中から会場内の音響が不調になったことでイライラ倍増、スタッフに声を荒げ、さらに観客をドン引きにさせてしまう。
「…俺はさぁ、こういう内田裕也みたいなことしたくないワケよ、本当は」(示威的な上下関係を見せつける、という意味か?)とボヤきながらの“飛田集会”にも、終始全身からイラ立ちのオーラが漂っている。
T-1二見社長とのガチ抗争でイライラ、リング上の地底人にイライラ、さらにやはり、動員の苦戦でもイライラは少なからずあったようである。
「だってよぉ、今回から前売券の取扱所を『レッスル』にしたんだけど、売上聞いたら「2枚です…」なんて言われてさ、もうその時点で正直やる気なくしてたんだけど、でもさ、その裏側にいるわけよ、あまのじゃくが。…こういうお客さんが少ない時こそ、スゲェことやりてぇなって。
今日はお客さん少なかったから、みんな見やすかったのかもしれないけど、100人詰めかけた状態でCGやったらどうなるのかなっていうのも一度は実験してみたいからさ(笑)、皆さんまたお誘い合わせの上、観に来てください」
「もっと…生き生きと闘いたい…。あと30年もしたら死んじまうんだよ。(観客に向かって)オマエら、自分たちが明日死ぬかもしんねぇとか考えたこともねぇだろ? 明日死ぬかもしんねぇんだぞ、俺たちは!?
昔パルコのCMで、『あなたがこの世に生まれてきてから、何分間生きてきましたか?』っていうのがあったと思うんだけど。内田裕也が、(ニューヨークの)同時多発テロが起きた近くの川で泳ぎながら言うんだよ。今思うと、非常に、身につまされるっていうのがあるかなって。
でも、何分でもいいよ。1分でも2分でも3分でも4分でも5分でも…、長く生きようぜ」
動員の苦戦とも闘いながらも、あらゆるイライラを抱えながらも、なんとか最後は「もっともっとスゲェことやりてぇな!!」と叫び、前向きに興行を締めたサバイバル飛田。次回大会を10月31日(日)と、異例の早さで決定した。次なる「もっとスゲェ」展開に、我々も期待しようではないか!
全試合結果は以下の通り。
◆埼玉プロレス『第銃銃銃銃銃(50)戦』
2010年7月31日(土)開始:19:25(10分押し)
会場:東京・聖蹟桜ヶ丘「ファーストスピリット」
<第1試合 15分1本勝負>
○ストロングおまんマン(12分58秒 エビ固め)●U.C.L.A.ファッションリーダー ※ラ・マヒストラルを潰して
<第2試合 20分1本勝負>
○ケン片谷(10分52秒 ラガジーナ)●その日暮らしのゲリエッティ
<第3試合>
「真夏のバトルローヤル!」
参加選手:ストロングおまんマン、U.C.L.A.ファッションリーダー、ケン片谷、その日暮らしのゲリエッティ
○ゲリエッティ(13分03秒 片エビ固め)●ファッションリーダー ※フィッシャーマンズ・バスター
<メインエベント 時間無制限一本勝負>
○サバイバル飛田(13分30秒 体固め)●『全温度地底人!』 ※ドリルアホール・パイルドライバー