平日夜の民放帯ニュースというコンテンツにおいて、テレビ朝日からTBSへの電撃移籍は話題となった。気になるのは、なぜ6月始まりであったかという点であろう。4月や10月の改編期でなく、さらに四半期となる7月始まりではない理由は何なのだろうか。
「小川アナは昨年9月末の『報ステ』降板後は、テレ朝系のインターネット番組AbemaTVのニュースプログラムに出演していました。そちらも3月末で降板し、4月5日付でテレビ朝日を退社しています。『NEWS23』移籍は以前から報じられていましたが、4月退社直後からの他局出演による批判を避ける意味合いがあったといえるでしょう。また、『NEWS23』はフランスから呼び寄せた元TBSの雨宮塔子アナウンサーが担当していましたので、調整も必要だったといえます」(業界関係者)
さらに、6月始まりには、先発のニュース番組に向けられた批判をかわす意味合いもあると見られる。
「元NHKの有働由美子アナウンサーを起用した『news zero』(日本テレビ系)は2018年10月にスタートするも、『無駄話が多すぎ』『気合入りすぎて空回り』といった悪評が聞かれ、視聴率的にも苦戦が伝えられています。同様に2019年4月スタートの元フジテレビのカトパンこと加藤綾子アナウンサーを起用した『Live News it!』(フジテレビ系)も、『そもそも報道キャスターのイメージがない』『ニュース内で自分の出演する番組宣伝するとかありえない』と非難が殺到し、こちらも視聴率としては惨敗中です。改編期スタートの番組は期待値が高い分、バッシングも起こりやすいため、ひっそりと6月スタートを選んだのでしょう」(前出・同)
小川アナは落ち着いた雰囲気に加えて、もともと硬派な報道志向も強いといわれる。ネット上でも「やっぱり彼女がいると落ち着くね」「変なバラエティ路線に走らないところがいい」といった声が聞かれる。「報道の雄」たるTBSの夜帯ニュースは、彼女にふさわしい場所なのかもしれない。