同シリーズは2016年から4年連続の開催。Codyやヤングバックス、ケニー・オメガら、新日本とROHを主戦場にしていた選手が、アメリカの新団体AEWに移籍し今年は心配する声もあったが、2日間とも満員。リングのターンバックルもキャンパスも、場外フェンスもROH仕様にした上で、試合は新日本勢が“サポート役”に徹し、ROH色が強い大会になりファンも酔いしれていた。
新日本とROHは、日本時間4月7日にニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン(MSG)で合同興行『G1 SUPERCARD』の開催が決定している。MSGはROH単独では到底、たどり着けない会場。WWE以外でプロレス興行ができるアメリカの団体はないと言われていた中、新日本とタッグを組みWWEの“お膝元”に進出することができた。しかもチケットは現地販売分が発売と同時にほぼ完売したというのだから驚きだ。主力選手はAEWに引き抜かれてしまったが、ROHにはまだまだいい選手が残っており、新日本やメキシコCMLLとの提携を強化している効果も出始めている。
今回のツアーの初日には、タマ・トンガ&タンガ・ロアのG.O.Dと、ジェイ&マークのブリスコ兄弟が同じコーナーに立つカードが組まれた。このカードが発表された時から疑問に感じたファンは多かったはず。なぜなら、G.O.Dはバレットクラブ、ブリスコ兄弟はCHAOSとして、IWGPタッグ王座を争う関係だったからだ。しかし、試合前から同じコーナーに立ちながらももめ始め、試合では同士討ちのオンパレード。最後はマークがフォール負けを喫すると、バレットクラブがブリスコ兄弟をめった打ちに。
そして2日目、セミファイナルで、G.O.DがEVIL&SANADAからIWGPタッグ王座を奪取。メインイベントで、ブリスコ兄弟が、ジュース・ロビンソン&デビッド・フィンレーを下しROH世界ヘビー級王座を防衛すると、ブリスコ兄弟がG.O.Dをリングに呼び込んだ。
「さっきG.O.DがIWGPタッグ王者になったな。俺たちは4月6日(現地時間)にニューヨークで大会がある。だから俺たちは宣言する。IWGPタッグ王座に、俺たちはマディソン・スクエア・ガーデンで挑戦する!」
リングに上がったG.O.Dは対戦を受諾し、4人はそれぞれのベルトを掲げて最強タッグをアピールした。試合後、バックステージでは両チームともにダブルタイトルマッチをアピールしており、正式発表が待たれるところ。記念すべき新日本初となるMSG大会の第1弾決定カードは、内容が“ハズれる”心配がないタッグマッチとなった。
取材・文・写真 / どら増田