和田は先発で5回を投げ、5安打1四球3奪三振。自軍の失策で1失点したものの、自責点は0の好投で、勝ち投手の権利を得てマウンドを降りた。ところが、救援投手が打たれ同点に追いつかれて、和田の勝ち星は消えた。試合は5-6でカブスが逆転負けを喫した。
勝ち投手になれなかった和田だが、それ以上にこの日、重要視されていたのが投球内容。5回を5安打1失点は初登板としては上出来。勝ち星は付かなかったが、カブス首脳陣に、その存在を大きくアピールした。
和田は「5回で下りてしまったのが、まだまだ自分の信頼のなさ。6回7回と任せてもらえるような投手にならないといけない」と謙虚にコメントした。
11年オフに海外FA権を行使して、オリオールズと2年契約を結んだ和田は勇躍米国に渡った。だが、12年のスプリングトレーニングで左ヒジを痛め、後にじん帯断裂が分かり、同年5月に修復手術を受けた。13年5月に3Aで復帰したが、メジャーでの登板はかなわず、オフに自由契約となった。
今季はマイナー契約でカブスに入団。6月22日(同23日)にメジャー契約を交わし、昇格の前提となる40人枠に入った。今回は出場選手枠(25人)に入ったわけではなく、ダブルヘッダー用の特別な規定で出場登録されたため、再びマイナーに戻る。3Aアイオワでは17試合に登板して9勝5敗、防御率2.66の好成績を残している。
カブスは7月5日(同6日)、ローテーション投手のジェフ・サマージャ(29)とジェーソン・ハメル(31)をトレードで、アスレチックスに放出したため、先発投手が手薄となった。マイナーに戻った和田だが、この日の好投でローテーション入りに向け前進したようだ。
(落合一郎)