「あそこには、もともと観光案内所があったんですよ。看板はその頃の名残で、そのままになっている。10年ほど前に櫻井夫婦が地主から借りて、そこに窯を作ったんですが、あまり熱心に陶器を焼いている様子じゃなかったね。2人は道で会うと挨拶くらいはするが、地元の人との付き合いはほとんどなかった」(地元住民)
その自宅兼仕事場を覗いてみると、20坪ほどの広さで風呂場もない様子。敷地内は雑然としており、ゴミが散乱していた。家の中も洗濯物が干されてはいるものの、古雑誌等で散らかされ生活の匂いはない。焼き物が陳列してあるわけでもなく、現在はおよそ陶芸家の住まいの趣を感じられなかった。庭には名古屋コーチンを飼っており、数羽が地面をついばんでいた。
別の周辺住民は言う。
「2人は'04年8月に新潟県長岡市から引っ越してきて、自宅で焼いた壺などを売って生計を立てていたようです。焼き上がった陶器を奥さんの車に積んで、群馬の前橋や高崎、東京方面へも売りに行っていました」
しかし、生活は楽ではなかったようだ。当初5万円で借りた家賃も滞りがちで、大家によれば、それを3万円に値下げしても、ここ2年半は滞納を続けていたという。
正男容疑者に関してはこんな話もある。
「大家が行くとお茶くらいは出していたそうですが、家賃の支払いの話になると態度をがらりと変えて、言葉が乱暴になった。タダで住むつもりかと家主が問うと、『100万出してくれれば出て行ってやる!』と開き直ったそうです」
夫より17歳下の久美子容疑者は、自宅から車で10分ほどのコンビニでパートとして働いていた。
「おそらくパートで稼いだ月々10万円程度の収入と、焼き物を売った不安定な収入で生計を立てていたのでしょう。ただ、奥さんの実家は新潟県長岡市の資産家だそうで、以前家賃はその実家が支払っていたと聞いたこともあります。だから、実家の援助で十分やっていけるはずなのにと噂していたんです」(別の周辺住民)