原辰徳監督(52)は「競争」とは言っているものの、新外国人投手のジョナサン・アルバラデホ(28=ヤンキース3A)を最有力候補としている。系列新聞では「昨季は3Aで57試合に登板し、43セーブ。防御率1.42」と“称賛”していた。しかし、米国人メディアに確認してみると、「アルバラデホは通用しない」と見るライバル球団の分析の方が正しいようだ。
「コントロールが良くないんだ…。日本はメジャーよりもストライクゾーンが狭いからね。メジャーは外角球を広く取ってくれるけど、日本はそうではない。変化球も投げていたが、パワーでねじ伏せようとするタイプ」(米国人記者)
米国人記者は「09年、ヤンキースで登板したときの記憶」と前置きしつつも、こう悲観していた。
「カットボール系の変化球も投げていました。右打者にはカーブ、スライダーを外角に放っていたけど、その変化球は、かなりの確率で日本ではストライク・コールしてもらえないと思う」
おそらく、対戦チームはデータをまとめるため、オープン戦、序盤戦ではアルバラデホのペースで投げさせるだろう。本当に「日本で通用しない」と判断すれば、このアルバラデホをクローザーのポジションに据えさせてから打ち崩す“常套手段”にも出るだろう。
「いや、巨人は外国人選手との契約内容を今年から少し変えています。今までは『故障以外でのファーム降格は認めない』と外国人選手の言いなりになっていましたが、その事項を受け入れない方針で一貫しています。アルバラデホが日本のストライクゾーンに適応できないと分かれば、他選手を昇格させ、態勢を立て直すだけのことです」(球界関係者)
前年までそのポジションにいたクルーンも、決して制球力に優れた投手ではなかった。
巨人側は「日本向きに修正可能と見て獲得した」との情報もある。
「球質はかなり重い投手です。クルーンほど速いボールは投げられませんが、米球界でも球速は速い投手の方に入ります」
前出の米国人メディアは『長所』を伝えていたが、巨人救援陣はやはり「アルバラデホが通用しないこと」を想定しているようにも窺えた。クローザーへの繋ぎ役・セットアッパーの1人、越智大祐(27)はこんな自主トレメニューを明かしている。
「9回裏二死満塁、1点リード、カウント2-3を常に想定しての投げ込みを…」
ストライクゾーンで絶対勝負しなければならない場面だ。山口鉄也(27)も今季はリリーフに専念できるとし、モチベーションを高めていた。野村克也・楽天名誉監督は巨人の大量な外国人選手の獲得に苦言に呈したのは繰り返すまでもないだろう。原監督は横一線での競争を煽ってもいた。アルバラデホの獲得が越智、山口の闘争心に火を点けたのは間違いないが、大量な外国人選手をどう使い分けるか。全外国人選手の年俸分で「1人の優良助っ人」を獲得した方が良かったのではないだろうか。