2005年の衆院選で初当選した杉村は、「料亭に行きたい」「国会議員はJRに乗り放題らしい」など、数々の失言を連発し、有権者の支持を失ったことが記憶に残る。しかしこの日は、そんな国会議員としての自分を「もう一度再評価して欲しい」とアピールした。
杉村は、憲政史上最低の国会議員と言われたことを認めつつも、「最低の国会議員から見ても、いまの政治家は私以下じゃないかという人が結構多い」と痛烈に批判。そして、「私は違法行為をしていないし、差別的な発言もしていない。ただ、出だしに幼稚な発言をしただけです」と主張した。
また、「最近の政治は腐敗しているか」という質問には、「国民の皆様、ちょっと厳しすぎる」と持論を展開。そして、「私の場合は極めてクリーンでしたが、何の力もありませんでした」と話し笑わせた。
“元”政治家の意見は、もう一線から退いていても批判されることが多い。しかし、それが少ないのが杉村だ。
この日もネット上では「杉村さんはむしろ国会議員は色々と優遇されていることを国民に伝えた」「クリーンだと力を持てないのが政治家ってこと。これはある意味正論かも」と感心する声が多く挙がった。
さらに番組では、自身の経験を踏まえ、「出だしが極めて重要。出だしでこけたらその後、すべて駄目」と新社会人に向けてアドバイスも送っていたが、「本当その通り」と共感する人が多かった。
「最近では、上西小百合さんなどタレントへ転身をもくろむ政治家も多いですが、杉村さんは政治に関してもある程度的を射た意見を言えつつ、ガチガチの討論番組でも、自虐で場を和ませることができる貴重な存在。以前は、叩かれるようなポジションを演じることで出演を勝ち取っていたようですが、それではダメだと思ったのか、パフォーマンスを変更したあたりはさすがです」(テレビ関係者)
杉村太蔵を越えるタレント政治家はなかなか出てこないだろう。