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渋谷淳の渾身のローブロー

 10月10日、東京・代々木第二体育館で、WBA世界スーパーフェザー級王者のホルヘ・リナレス(帝拳)、WBC世界スーパーバンタム級王者、西岡利晃(帝拳)の両王者によるダブルタイトルマッチが行われる。この2試合についてはいずれ触れるとして、今回はこのタイトルマッチの前座に組み込まれた東洋太平洋フェザー級タイトルマッチの話をしたい。

 王者の細野悟(大橋)はここまで無敗。バズーカのニックネームがついているように強打が魅力のボクサーだ。対する榎洋之(角海老宝石)は前王者。昨年、WBA王者のクリス・ジョン(インドネシア)に挑戦するまでは無敗で、世界再挑戦を狙っている。
 と、簡単に書いてみたが、これはかなり思い切ったマッチメークである。細野にしてみれば「無敗」の肩書に傷がつく危険性がある。榎は、もし負けてしまうと世界再挑戦の話がしぼんでしまうからだ。

 近年のボクシング界で、このようなマッチメークは残念ながら少ない。せっかくいいところまで来たのだから、余計なリスクを冒さず、適当な試合をして世界戦のチャンスを待つ。こうした空気が業界にはびこっているのは事実だ。
 しかし、東日本ボクシング協会長でもある大橋秀行会長は「すぐに世界戦ではなく、強い選手同士の試合をたくさん組んで、国内のリングを盛り上げる必要がある」と言い切る。テレビ局が世界戦をなかなか放送してくれなくなった昨今、好カードの実現に二の足を踏んでもマイナス効果しかないというわけだ。
 歓迎すべき話だと思う。ファンは好カードを待ち望んでいる。選手もタフな試合をクリアすれば、よりたくましく成長できる。それでつぶれてしまうというのなら、そんな選手に世界挑戦の権利を与えるべきではない。今後も細野VS榎のようなカードが増えることに期待したい。日本ボクシング界がさらなる前進を果たすためにも。

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