鍵を握るのはイチローらWBCに照準を合わせている原ジャパンの候補選手の自主トレと、それに付き合う候補から外れている選手だ。球界OBが指摘する。
「候補選手は当然、WBCまでに体を作らなければならないから、例年より1カ月以上早く仕上げなければならない。その選手と一緒に自主トレする若手がいると、そんなに急がなくていいのに結果的にこれも早く仕上がってしまう。これが、のちのちマイナス要因になりかねない」
ファンには結構なことに思えそうだが…。
「その若手をライバル視する同じポジションを争う、もうひとりの若手、それもそろって1、2軍の当落線上にいるとしたら、どうなる? 仕上げに遅れを取っているほうは焦るに決まってる。キャンプで追い着こうと無理することになり、故障でリタイアともなりかねない。各球団の首脳陣は分かっているから、『自分のペースを守るように』と注意しても、おそらく聞き入れない。チームの構想にも影響しかねないから、問題なんだ」(前出OB)
もう1点、危惧すべきことがある。候補選手から自主トレにつき合うことで、派閥ができかねないからだ。スポーツ紙デスクの話。
「自主トレを一緒にするのは、仲がいいから。そこで、いろいろアドバイスされてシーズンで結果が出れば、子分になるのは当たり前。派閥は球団にとってもマイナスにしかなりかねない」
ところで、中日には候補選手がいない。これがペナントを左右しかねない。
「落合監督には願ってもないこと。構想どおりチーム作りができる。トレードなどで目立った補強はしなかったのに、あわてないのはそのせい。中日は計算済みでしょう」(同)