「蝶野正洋が何を考えているのかわからない」。大谷は困惑していた。
29日の後楽園大会で大森隆男と組み、蝶野&安田忠夫と対戦する大谷。「安田と蝶野がどういう意図で組んだかさっぱりわからない。一体何が言いたいのか、確かめる戦いだと思っている」。黒いカリスマを丸裸にするつもりだ。
続けざまに「蝶野との決着はゼロワンのマットでつけれたらと思っている。(5・5)プレミアム前に決着をつけたい」と狙うは蝶野からのフォール勝ちだ。
蝶野狩りに躍起になる大谷だが、胸には秘めたる思いがあった。「永田(裕志)とは遅かれ早かれやりあう運命にあると思う」。確かに大谷は社長就任の際、対抗戦に発展した場合、永田と対戦を熱望してきた。それだけに、一刻も早く目の前の敵を倒し、永田戦に近づけなければならないのだ。
この日、SAC本部で行われた会見では、5月17日の越谷・桂スタジオ大会で“ミスターデンジャー”松永光弘との一騎打ちが決定し、「僕はデスマッチをやるつもりはない。二度とウチのリングに上がれないようにしてやります」と“完全追放”を宣言した大谷。もはや、二手、三手先を見据えている。