南場智子オーナーは9月14日、「結果にかかわらず、(続投を)お願いするスタンスは変わっていない」とキッパリ明言している。
中畑監督が就任して以降、チーム成績は12年が最下位、13、14年が5位。今季は同15日現在5位だが、最下位・中日との差はわずか0.5ゲームしかなく、いつひっくり返されてもおかしくない状況。4位の広島とは7.5ゲームの大差が付いており、中畑政権下で4年連続5位以下が濃厚だ。
それでも、球団が続投要請する理由はどこにあるのか? 今季、DeNAは98年以来、17年ぶりに前半戦を首位ターン。それもあって、観客動員が飛躍的に伸びているのだ。
同11日にNPB(日本野球機構)が発表したDeNAの観客動員数は159万6176人(主催63試合=同10日時点)。前年同期と対比すると、なんと18.3%も増加しているのだ。
セ・リーグでは、これに続くのが、黒田博樹投手の“男気復帰”に沸いた広島と、首位争いをしているヤクルトで11.8%増。それでも、伸び率はDeNAと大差が付いている。他球団は阪神が4.0%増、中日が1.0%増、巨人が0.1%減。パ・リーグではロッテの8.4%増が最高で、DeNAの観客動員数アップは12球団でも群を抜いているのだ。
11年は110万2192人だった年間観客動員数は、球団がDeNAに変わり、中畑監督就任後、4年連続で増え続けており、今季はすでに昨季の動員数を超えている。特に今季は前半戦での好調ぶりが大幅な動員アップにつながったようだ。
某スポーツ紙の野球担当記者によると、「中畑監督になって、4年連続Bクラスは濃厚。それでも、この4年間での観客動員アップは大いに評価されるものです。それは、巨人ブランドと中畑監督の明るいキャラクターにも起因していると思われます。勝負の世界ですから、成績も大事ですが、プロの興行ですから観客動員も重要。ヘタに監督を替えて、人気が下降してしまってはビジネスになりませんから」と語る。
成績不振が続いても、球団からラブコールを受け続ける中畑監督だが、本人はBクラスの責任を感じ、自身の去就については話していない。
(落合一郎)