つかみかけた日本一がスルリと逃げた。
巨人は8日の第6戦に敗れ、3勝3敗となり逆王手をかけられた。後がなくなり、迎えた最終決戦。シリーズ通算6戦0勝5敗と不振の先発・西口を攻め、2回までに坂本のソロ本塁打などで2点を先制した。
だが、5回に代打ボカチカに本塁打を許す。8回には中継ぎの越智が3四死球と制球が定まらず、平尾に決勝打を浴びた。
打線も石井一、涌井、星野、グラマンの投手リレーに、無安打に抑えられゲームセット。リードを守り切ることができなかった。
試合後、原監督は「今日、負けたことは悔しいの一言ですね。個々のコンディショニングを見ることを間違ってしまったな、ということが敗因のひとつでしょうね」と分析した。
だが、敗因は監督の采配だけではない。“超能力”の差が勝敗を分けたといってもおかしくはないのだ。
西武の渡辺久信監督といえば、予言者・ノストラダムスになぞらえ「ナベトラダムス」と呼ばれている。今シリーズでも、越智を「スキがないわけでもない」(渡辺監督)と予知していた通り、この日の自滅を読んでいたともいえる。
原監督も7日、自身のオフィシャルサイトで「強い4番打者が、勝利に導いてくれるでしょう」。ラミレスが勝負を決めると予言していたが、これは的中せず。それどころか、最後の打者となってしまった。
そのラミレス自身も「前回、涌井が(西武ドームで)投げたとき、もう対戦することはないと言ったんだけど、投げてきた」と読み間違えたことを明かした。
頂上決戦最終ラウンド、“予言対決”でまさかの完敗を喫してしまった原巨人。それでも「ひとつ課題を残した。(日本一になれなかったことを)エネルギーに変えて、糧にしていきたい」(原監督)