もともとマスコミ業界は著名人二世が多く活躍しているが、その中でもフジはかねてよりその割合が多かった。80年代には「楽しくなければテレビじゃない」をコンセプトに掲げ、サブカルチャー色の強いコアな深夜番組や、業界ノリを全面に押し出したバラエティ番組、トレンディドラマを多く作り出してきた。
テレビ局のコンテンツとしてはドラマ、バラエティ、報道、スポーツなどが挙げられるが、フジテレビは前者2つの要素が強く、もともと芸能界との結びつきが強い局だったといえる。著名人の子息を入社させるメリットは、著名人本人と芸能プロダクションとのつながりに加え、著名人と懇意のスポンサー企業もあるため、テレビ局にとっては「おいしいお客さん」であるといえる。
フジテレビ社員の有名な著名人二世といえば、作家遠藤周作の息子の遠藤龍之介氏がいる。現在はフジテレビ専務取締役を務める。
2014年に亡くなった俳優の宇津井健さんの息子の宇津井隆氏もフジテレビ社員である。遊び人として知られ、とんねるずや古舘伊知郎などとも親交がある。フジの「業界人ノリ」を代表する人物といえるだろう。
近年でも、藤井フミヤの息子である藤井弘輝がアナウンサーとして入社したほか、陣内孝則の息子もフジテレビディレクターとして活躍中だ。藤井はチェッカーズとして、『夜のヒットスタジオ』などに登場し、陣内も『君の瞳をタイホする!』を始め数々のトレンディドラマに登場し、80年代から90年代にかけての黄金期フジテレビへの貢献者といえる。それゆえ、現在も同局とのつながりが深いのかもしれない。